約30年間に渡り、区内で視覚障害がある人のために新聞や書籍などを音声化している「音声訳ボランティアいずみ」。
現在は情報を得る手段の一つとしてスマートフォンが普及し、健常者だけではなく視覚障害がある人たちの生活を大きく変えてきた。それでも「使いこなしている人ばかりではない」と同団体の永井けい子さん。特に高齢者は複雑な操作もあり、音声訳への需要は変わっていないという。
時代と共に変わったことは「人工音声」への対応だ。テキストデータがあればコンピューターが読み上げてくれるもので、近年は抑揚やイントネーションが自然になり、男声や女声などの種類も選べる。これに合わせ、パソコンで文章を打ち込む支援も始めている。「私たちも技術の進化についていくのが精いっぱい」と永井さん。ただ、利用者の中には「人が吹き込んだ声の方があったかい」という声が少なくない。機械に出せない声が求められている。
これまでリクエストがあっても、許諾を得て完成するまでに、長いもので3カ月を要した。しかし2017年に文化庁長官から著作物を許諾なしに複製することができる者として指定を受け、提供時間も大幅に短縮し、ラインナップも増えた。
今後は活字の認識に支障がある人や発達障害、学習障害がある人への提供も視野に入れる。「必要としてくれる人がいる限り活動を続けていきたい」が会の思いだ―。
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