区民栄誉賞 区民に広く知らせよ デスク・レポート
▼戸塚区区民栄誉賞の第2回目の受賞者に、汲沢出身の射撃選手、松田知幸さん(神奈川県警)(35)が選ばれた。世界選手権で2種目を制したことなどが評価されての受賞だ。1月5日の賀詞交換会で表彰されるとともに、出席する町内会や企業、団体などに紹介される。一昨年の区制70周年を機に区が設けた賞だが、創設は良い取り組みだ。受賞者の記念になるほか、受賞条件である「スポーツや芸術分野などで日本一、または世界レベルの大会へ出場している」人を区民が知ることで、自分が住む区への親しみや誇りにつながるのではないか。
▼区では受賞者決定を記者発表したほか、広報での掲載を検討しているというが、それだけではもったいない。もっと広く区民に知らせるべきだ。第1回目の時は表彰と広報で小さく掲載しただけだった。賞を設けても、賞と受賞者の存在を区民が知らなければ意義は薄れる。庁舎内やホームページへの掲出など、周知の手段を増やしてほしい。ホームページに、過去の受賞者を含め紹介するコーナーを作ってはどうか。区のことを知らない転入者にも、区に魅力を感じるきっかけになるかもしれない。
▼受賞者候補の選定にも注意が必要だ。前回は北京五輪女子サッカー代表メンバーとして活躍した近賀ゆかりさんなど、3人が受賞した。08年の1年間での功績が問われたが、同じく北京五輪に出場した松田さんは候補者に上がっていなかった。前回時でも松田さんは候補の条件をクリアしており、区の選定には疑問が残った。初めての選定だったこともあろうが、今後は幅広く情報を収集し、機会均等に候補者を選んでもらいたい。
▼そのためにも地域メディアの役割は重要だ。本紙は候補者選定時の情報収集にと参考にされている。大手メディアに比べ、地元の人を掘り下げ、多角的に紹介できる余地が地域メディアにはあり、そのような報道が意義の一つでもある。一昨年にはエフエム戸塚が開局し、地域メディアはテレビ、紙、ラジオと揃った。綿密な取材と様々な手段で、細かくも幅のある地域情報を区民に届ける。それらを区にも参考にしてもらうことで、生まれたばかりの同賞を価値の大きなものにすることに貢献できるだろう。
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4月18日