肺腺がんを患う台湾出身の歌手、真唯林(マユリン)さん(栄区)を、戸塚区内のスナックやファンが有線で曲を流したり、歌を歌ったりして応援、回復を祈っている。真唯林さんは「早くファンに会いたい」と病と闘っている。
「夢は七色 東京夜景―」。どこか懐かしさを感じさせるメロディーに恋愛の切なさがにじむ。1月18日、戸塚町のスナック「静香」には真唯林さんのファン13人が集まり、真唯林さんの「東京夜景」をみんなで歌った。「本当にいい子」「今の日本人よりも日本人らしさを感じる」。ファンは次々に真唯林さんへの思いを口にした。
真唯林さんは昨年10月末に肺腺がんを患っていることが分かり、市内の病院に入院、31度に渡る放射線治療を受けた。治療の後半には、「内臓が焼けるよう」に感じ、おかゆも喉に通らなかったという。12月中旬の退院後、今はご飯も食べられるようになり、様子を見て再入院する予定。
真唯林さんは台湾に生まれ、子どものころから「里の秋」など日本の歌に親しんだ。「演歌を学びたい」と16歳の時に来日し、以後、山本譲二さんのヒット曲「みちのくひとり旅」などで知られる作曲家の三島大輔さんに師事してきた。今までにアルバム2枚、シングル10枚をリリースし、三島さん作曲、故・星野哲郎さん作詞の「東京夜景」は、はとバス運行開始50年記念のイメージソングにも選ばれた。
「真唯林ちゃんは私の娘と同じくらいの年。早く元気になって」と上倉田町の春原(すのはら)常子さん(77)。同店の小林加代子さん(52)は「歌うことはがんにも良いと聞く。病院でもきれいな空気をたくさん吸って、お日様をたくさん浴びて頑張って」と話すなど、ファンらは真唯林さんの回復を願っている。
真唯林さんは「応援してくれてありがたい。早くみんなに会いたい」と、真っ直ぐに前を見据え、話した。
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