相続問題について書いた「マッカーサーの占領政策は本当に日本を再生させたのか」を出版した 森下 正勝さん 上矢部町在住 67歳
後世に残したい絆
○…泉区で創業91年の和装業を営み、畳職人として生きてきた。仕事を通じ多くの和風木造建物の修繕に関わっていくにつれ、相続税法へ違和感を抱いたことが、本を執筆するきっかけとなった。屋敷や田畑などの古き良き日本の景観が、年月を経て少しずつ減少している―。その理由の多くが、「相続税」によるものだと気付いた。相続税を納めるために、相続した土地や家屋の一部を売っている人が多いという。
○…「多くの日本人は、土地を売らないと生きていけない。その仕組みに憤りを感じた」と強い眼差しを向ける。相続税について学ぶため、60歳で神奈川大学に入学。法学部で相続税法について勉強していくと、「相続問題の解決は、日本の社会問題を解決する」と感じた。相続により家を失なわなければ、核家族化が防げる。そして、家族や地域のつながりが保たれることで、老々介護や子育て家庭の孤立などが改善できるのではないかと考えた。
○…昔からの思いだった「後世に残る本を作りたい」。今回出版した本は、「きっと多くの人に読んでもらえる本だ」と自負する。相続問題以外にも、新聞やテレビを見て感じたマスコミへの意見を盛り込み、専門的な説明から、日常の場面で詠んだ川柳までも掲載、作者の好奇心旺盛な性格がうかがえる作品に仕上がっている。
○…本を通じて伝えたい思いは「家族の絆」と「人情」。仕事をしながら大学に通い、執筆できたことも、家族の支えや職場の従業員の理解があってこそ。執筆の過程で人の絆や思いを感じずにはいられなかった。多くの人にアドバイスをもらったおかげで、相続税の歴史を描いたマッカーサー登場のシーンは小説のように、また、絆の大切さを説いた持論「囲みの理論」は専門書のようにと書き分け、柔軟な表現法が光る。「なかなか格好良く書けてるでしょ」と、人生の集大成を手に笑顔で語った。
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4月18日