メディアでは伝えられていないことがある。「防災対策には、防犯の観点が必要不可欠だ」
戸塚区選出の県議会議員、北井宏昭さん(44)は3月26日から4月9日まで、宮城県名取市をはじめ、同県4市で被災地の支援活動を行った。4月1日からは県議会議員選挙の運動期間だったが、「選挙よりも支援」。食料や衛生用品などに加え、自らの選挙用宣伝車も、スピーカーと看板を外し、物資として運転して持って行った。
現地では、名取、多賀城、塩竈、石巻市の各災害ボランティアセンターから依頼された支援活動を行った。津波により一般家庭に堆積した泥やがれきを撤去したり、避難所に設置されている仮設トイレを清掃、支援活動に必要なスコップなどの用具を洗ったりした。
語られない現状
「夜に運転しないで」。現地の消防団から厳しく注意された。メディアではあまり伝えられていないが、地震発生後、被災地では強盗被害が散見された。バールで車の窓を割って物を盗み、家主が避難所に身を寄せている間に家屋に侵入、ある家庭では、地震前に亡くなった人への香典までも盗まれたという。視察でなく、現地で体を動かし、人と話す中で生きた情報を手に入れる。活動中は、政治家としての視点も生かそうと考えていた。「災害時に犯罪はどうしてもついて回る。防災と防犯対策を一緒にやらなければならない」。被災地に投入する警察人員を増やし、治安を維持させることが必要と考えた。
北井さんが戸塚区に戻ったのは投開票日の朝。結果は、落選。同29日までの現職の間に、今回の活動を踏まえた提言書を県に出す考えだ。4月14日夜、北井さんは事務所で取材に応えながら、活動の様子を収めた動画を自身のブログにアップしていた。3月29日の映像。「(車修理という)自分の仕事を生かし、(津波で)壊れた車をカムバックさせる」。被災し物が散乱した室内を背景に、決意を語る現地の人たちが映っていた。
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