待機児童 継続的な減少を デスク・レポート
▼戸塚区の待機児童数が6年ぶりに減少した。6年前は、保育園の増設で定員を増やし、前年の106人から80人減って26人になった。だが、「近くに保育園ができるなら預けたい」。潜在的なニーズを掘り起こし、定員と同時に申込者数も増加。わずか1年で待機児童は増加に転じ、4年後には98人までに増えた。今回の減少を6年前と同様に一時的なものにせず、継続して減らしていくことが求められる。
▼「増設による定員増に加え、預かり保育導入幼稚園が増えたことや既存園の定員外受け入れが要因では」。区は増設以外の対策が減少要因の一つと分析しているが、それらも既に限界が見えている。今年4月1日現在の区の待機児童を年齢別に見ると、3歳未満が62人と8割以上を占め、幼稚園で預かれる3歳以上は10人と少ない。既存園の定員外受け入れも、「どこも既にいっぱい」の状態だ。
▼ほかにも手はある。定員割れしている施設もあるからだ。0〜2歳児を預かる「横浜保育室」は、区内9園のうち6園が定員割れしている。川上町には、区内で最も入所待ちが多い「川上保育園」がある一方、「うみのくに保育園とつか」は33人の定員に10人しか入所していない(5月現在)。保育室の周知は充分にされているのか。今まで市は、保育園や保育室の新設などハード面の充実に注力してきた。それらを機能させるためにも今後は、保育サービスの周知やマッチングなどソフト面の強化がより重要となる。
▼6月1日に市内各区に配置された「保育コンシェルジュ」が、ソフト面強化の一助になると期待したい。先行して2月から導入した瀬谷区では、「一定の成果があった」と評価を受けている。全ての待機児童世帯約70軒に電話し、個別案内を実施。待機児童は昨年の59人から14人に減った。戸塚区は瀬谷区と比べ、未就学児童も待機児童も多い。面積も市内で一番広く、地域により状況が異なる。コンシェルジュ1人で保育サービスの詳細や保育状況を把握しきれるのか。各区に1人しかいないため、個々の技量により成果に差が出ないか。一時しのぎの対策にならないよう、地域の状況に合わせて増員を図るなど、臨機応変に対処してほしい。
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4月18日