戸塚文化協会の会長 西川 久生さん 戸塚町在住 71歳
人生の傍らにあった囲碁
○…自分にとっての囲碁を一言で表すと「どこに行くにも持って行く持ち物」。常にその人生の傍らには囲碁があった。友人や兄など周囲の人が囲碁をやっていても、学生時代はあまり興味がなかったが、社会人になってから成り行きで始めた。「やってみたら、センスがあったんだよ」と得意気に口角を上げる。仕事の合間に碁会所へ。毎日のように囲碁を打った。夢中になったら、とことん。そんな性格がうかがえる。
○…大学卒業後、自動車の電装部品を製造販売する会社へ入社した。理由は「日本の経済発展の波は、自動車と共にあったから」。エンジニアとして設計の経験を積んだ後、品質管理の職を経て、海外営業に。英語は話せなかったが、技術力が評価されての抜擢だった。赴任先はアメリカやロンドン。そこにも、もちろん囲碁を持参。これが、役立った。「ニューヨークやロンドンにも碁会所があってね。大会にも出場したんだ」
○…戸塚での生活にも囲碁は欠かせなかった。43年前に東京都から越して来た。移住した当初は、接待後、夜中にハイヤーで帰宅する毎日。仲間作りの場はもっぱら休日の碁会所だった。「碁会所は、その場に居合わせた人同士で囲碁が打てる。それが、いいんだ」。戸塚の囲碁仲間に頼まれ、定年退職後すぐに戸塚文化協会の囲碁部に入部した。
○…「若い人が未経験から始めて、育っていけるような協会にしたい。今の夢だよ」。入会して約12年。会長としての今の思い。協会発展のための課題は山積している。最大の課題は「若者の入会」。「小学生から大学生、青年、壮年まで、あらゆる年代の人を巻き込みたい。そして、区内の文化、創造、芸術の全てを集約したいんだ」。目標を語り始めたらきりがない。一筋の希望は2013年に完成予定の公益施設。「戸塚駅のそばに文化センターができる。多くの人に文化芸術に触れてもらうチャンスだと思うんだ」
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4月18日