戸塚区版 掲載号:2012年6月14日号
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100歳迎えてなお、目は外に 能に励む戸塚藤謡会の片山さん

「いい仲間に恵まれている」と微笑む片山さん
「いい仲間に恵まれている」と微笑む片山さん

 すっと息を吸い込んで、片山芳子(よしこ)さんは謡った。低く、力強い声。抑揚をつけ、リズムをとる。「―朝日山」。他のメンバー9人が一斉に続いた。「月こそ出づれ―」

 6月6日、戸塚町の清源院本堂横にある一室。「戸塚藤謡(とうよう)会」が能の舞に添えられる謡いの練習をしていた。物語は、源頼政を主人公にした源氏と平氏の争いを描いたもの。メンバーは台詞が記された謡本に目を落とし、主人公のシテを務める片山さんの声を追いながら、謡った。

 戦後間もないころに発足したという同会は今、月に1回、同寺で練習をしている。区内外に住むメンバーはみな60歳代以上。中でも最高齢なのが片山さんだ。4月に100歳を迎えた。

 「今は100歳も珍しくないのに。どうして周りの人は大騒ぎしてくれるのかしら。120歳を目指してって言う人もいたのよ」。やんわりと微笑む。背は幾分丸みを帯びているが、声色は老齢を感じさせないほどに、しっかりとしている。

 謡いを始めておよそ50年。能の魅力は、60〜80歳ごろまでやっていた山登りに似ているという。「やめたいけど、終わったらまたやりたくなる。奥が深いの」

 藤沢市で一人暮らし。週に2回、ホームヘルパーが掃除をしに来てくれるが、生活に要するほとんどのことを一人でこなす。夫には結婚して3年後に先立たれ、10年ほど前に息子を亡くした。肉親は2歳下の妹だけとなったが、「わがままに暮らしてるから。一人だから周囲に遠慮しなくていい」と長寿の秘訣を語る。

 そんな片山さんが今、気になるのが政治。「TPP(環太平洋パートナーシップ協定)や日米関係が気になるの」と日本の行く末を案じている。
 

謡本を読むメンバー
謡本を読むメンバー

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