林文子横浜市長が6月13日の市会本会議で、生活保護受給世帯への学習支援事業を現行の4区から18区全てに広げる方針を発表した。戸塚区保護課では来年度の導入を目指し、検討会を5月末に設立。ニーズの把握や他区への視察などを行い、準備を進めていく。
同事業は現在、保土ケ谷区、泉区、瀬谷区、港北区で実施。教育関連のNPO法人や大学などに委託し、生活保護世帯の子どもに勉強を教えている。市保護課によると、今年度中に南区、西区、旭区へ、最終的には全18区で導入する方針だ。
戸塚区では来年度の導入を目指し、5月末に検討会を設立した。支援内容は各区の生活保護世帯が必要とする学習内容に合わせ、対象者や方法を決定しているため、「まずはニーズの把握が必要」と区保護課。泉区と瀬谷区では小中学生の居場所づくりを兼ねた学習支援を、保土ケ谷区と港北区は高校進学を希望する中学生を対象にマンツーマンの支援をしている。同課は他区への現場視察などを行い、具体的な方針を決めていくという。
戸塚区内で生活保護を受給している世帯の中学生は約150人で、昨年度の高校進学率は90・5%。同課の嶋津常弘課長は「進学率だけを見ると低くはないように見える。しかし、進学先に注目すると一般家庭に比べ、全日制高校への進学の割合が低く、定時制や通信制の割合が高い」と話す。就職などを考えた際に、全日制高校を卒業した方が選択肢が広がる可能性があると考え、同事業の早期導入を目指しているという。
アドバイザーを設置
同課は4月、進学への意識を高めてもらおうと「教育支援専門員」を1人設置した。生活保護世帯の子どもが進学をしない背景には、経済的理由のほかに、保護者自身が高校へ進学しておらず、教育や進学への関心が低い実態があるという。「進学という考えが元々ない、また受験の手続きが分からずに諦める人もいる」と嶋津課長。そこで同専門員が生活保護世帯を訪問し、学習や進学の相談、アドバイスなどを行っている。しかし、1人では勉強を教えるところまでは手をかけられず、学習や受験のサポートができる環境づくりが必要とされている。
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