戸塚区版 掲載号:2012年8月23日号
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旧社屋を青少年交流ステーションとして提供した愛和食品(川上町)の会長 早川孔惟(よしさだ)さん 金沢区在住 74歳

「自他至福」次代へリレー

 ○…自ら5階建てのビルを提供した金沢区青少年交流ステーション。1階部分の愛称が「カナカツ」に決まり、施設の利用も徐々に広がりを見せている。「人に何かをしてさしあげること。そこに喜びを感じる人間でありたい」。3・11以降、その「自他至福」の精神を再認識し、ビルの無償提供に踏み切った。思いが託された交流ステーションは、学童クラブや学習室、フリースペースを備える地域の交流の場。「大事なのは人づくり。青少年が、感謝の気持ちや前向きな心を育む場になれば」と目を細める。

 ○…「このお金は、絶対使ってはいけないよ。1年たってどうしてもだめなら、これで帰っておいで」。中学卒業後、郷里・愛知を離れて上京する際、母が3千円を託して言った。父を亡くしたがための、早すぎる独り立ち。「今思えば、送り出す母はどんなに辛かったろうと思います」と振り返る。夜学に通いながら、上野アメ横の乾物店で声を張り上げて働く日々。自ら「仕事一筋」と語る半生の原点になっている。

 ○…提供したビルは、28歳で会社を興した思い出の地。「12坪の自宅に、24坪の倉庫。辺りはまだ開発途上で、何もありませんでしたね」。オート三輪にまたがり、一人で映画館や遊技場を相手に営業してまわった。そんな地道な努力が、今や250人の従業員を擁する食品卸会社の礎だ。現在は川上町に本社を構える。「辛苦を経験したからこそ、やっぱり『感謝』が大切だとわかりました」。多くの人の支えを得てきたのは、その信念のおかげかもしれない。

 ○…「人のため」と歩んできた道だったが、いつしか、「後世に何を残すか」という考えが加わった。本の出版や1400回を数えるブログ、そしてこの交流ステーション。自分の思いを、少しずつ形にしてきた。「今日という日を頑張ること。明日は明るい日と書くのだから」。つぶやいたその言葉は、次代を担う人々へのエールにも聞こえた。
 

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