人命救助で表彰された戸塚スポーツセンター所長 川口 俊行さん 磯子区在住 42歳
まずは「隗より始めよ」
○…人が倒れた。動揺する間もなく、現場に駆けつけAEDを駆使し、さらに胸骨圧迫を施すと倒れた男性は嫌がる仕草を見せた。まさに生を体感する瞬間。勤務する戸塚スポーツセンターでの出来事だった。心肺停止状態では救急隊員が到着するまでの間、いかに応急処置を適正にできるかが分かれ道だ。磯子消防団の一員という顔も持つ。団員として人命救助に一役買ったことも大いに誇れることだ。
○…すべて良いタイミングが重なった。戸塚小児童の職業インタビューで、たまたまAEDの説明をしていた矢先、卓球教室の70代男性が倒れたと一報が入った。体育館は目と鼻の先だ。すぐさま現場に駆けつけることができた。「別のところにいたらどういう対応になっただろう」とつぶやいた。他の卓球教室参加者の迅速な対応にも感謝の念を忘れない。救急車要請の電話、救急隊の誘導など周りの人たちもここぞとばかり協力してくれた。
○…中学は軟式テニス部に所属。「ねちっこく行く方だった」とポジションは前衛。高校では一転、電気通信部。いわゆるアマチュア無線だ。「東南アジアとつながった」ことが思い出という。大学では社会福祉・社会教育を専攻。「これからは高齢社会。自分で何かできることがあるのではないか」と自問自答する日々を過ごす。趣味は潮干狩り。そして円海山の港南台から鎌倉を抜ける道を歩くこと。奥さん、3人の娘、義父母の7人家族だ。
○…座右の銘は、と問うと沈思黙考。好きな言葉は「隗(かい)より始めよ」。半歩前に出ていないとなかなか前に進めない。大きなことをするにもまずは手近なものから着手する。実は体育館の暑さ対策が喫緊の課題という。寒さには着込むなどの対策が有効だが、暑さとなると…悩ましい。四六時中いろんなことを考え、周りに気を配る。きっと、いいアイデアが出るに違いない。
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4月18日