『10歳からの地産地消Book』を発行した「食のい・ろ・は」の代表を務める 大竹斎子(いつこ)さん 上倉田町在住 57歳
温かいご飯で家庭も温かく
○…食の大切さを知ってもらおうと、横浜市などで子どもの料理教室を開く「食のい・ろ・は」の代表。10月に『10歳からの地産地消Book』を発行した。「形に残すことで、思いを知ってもらう機会が増えるはず」と一昨年から年に一度、食育冊子『10歳からの〜』シリーズを発行。今回で最終章となる。
○…「教室内にぜーったい親は入れないの」。包丁や火が危ないと心配する保護者には「包丁はよーく研いであるので」と返す。厳しい方針に思えるが、これまで子どもがふざけてケガをしたことはない。ふざけない、食べ物を大切に…教室での「お約束」をきちんと守るからだ。「横から口出しするとやる気を削ぐこともあるから親が一緒じゃダメ。代わりにできた料理は一緒に味わうの。子どもは自分のやった事を自慢げに話すのよ」と目を細める。
○…パート勤めの「普通でつまらない」生活から脱却しようと、40歳で一念発起。大好きな料理を仕事にしたいと、調理師免許を取得した。タイミング良く新設の保育園に就職したが、すべてが一からのスタート。調理器具は段ボールに入ったまま、献立も何もない。仕事をこなすことで精いっぱいだったが、保育園で人生が変わった。当時、年長児がご飯を炊く習慣があった。冬でも小さな手を真っ赤にしながら嬉しそうに作業する姿が印象的だった。6年半後に退職したものの、ご飯の準備を楽しむ子どもたちの笑顔が忘れられず、当時の仲間と「食のい・ろ・は」を立ち上げた。
○…子どもの「できる力」を奪わず、大切に育ててほしい。この思いは広がり、全国で同様の教室の開催が決まった。「家事は家の事って書くでしょ?家の事は家族で分担すればいい。母親が帰宅するのを子どもがご飯炊いて待っててもいいじゃない」と笑う。簡単なおかずでもいい、色鮮やかじゃなくてもいい。「温かいご飯を一緒に食べることで家庭も温かくなるから」。
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4月18日