應援團伝統の鍛錬「京都徒歩行軍」を15年ぶりに復活させ、踏破した 野田 康隆さん 明治学院大学 2年
日々歩む 精進の道
○…東京・日本橋から京都・三条大橋まで、應援團の仲間3人と23日間で495Kmを歩き切った。伝統の羽織袴に高下駄姿。しかし、その手にはスマートフォン。フェイスブックなどを使い、状況報告をしてきた。初日でまめができた不慣れな高下駄も、距離を重ねるごとに低くなり、到着するころには”普通の下駄”になった。
○…道中は各地で大学のOBらが4人を迎えてくれた。見知らぬ人からも幾度となく声をかけられた。「原宿はいつごろ通るのか」と大学に確認し、応援に駆け付けた男性もいたという。「その方とは無事に合流でき、飲み物までいただきました。うれしかったですね」。到着時はさぞや盛り上がっただろう思いきや、「意外とあっさり。戻ってきてからも周りの反応が思ったよりも薄くて…」と苦笑い。それでも誰一人欠けることなく踏破した事こそに意味があると胸を張る。
○…應援團はリーダー部、チアリーディング部、ブラスバンド部の3つで構成。約60人のうち、リーダー部はたったの4人だ。入部当初は4年生の先輩と二人きり、5年前までは部員0の年が続いていたという。「先輩が卒業する前に色んなことを詰め込んで教えてもらいました。何とか友人も一人引っ張ってきて」。部員不足が目下の悩みだ。
○…高校時代はアメフット部に所属していたが、首と膝の怪我で選手の道は断念。大学に入学し、自身を鍛えられる部にと見つけたのがリーダー部だった。「これなら一から始められる」。上下関係や礼儀に厳しく、ルールも多い應援團。詰め襟を着て、腕を組み、どっしりと立つ姿は勇ましい。後輩に怖がられる怖い部長なのかと尋ねると「そんなことないですよ」とふっと表情を崩し、明るく笑った。放課後の練習のほか、休日は運動部の試合に出向き、秋には大学祭やショーに参加する。日々の自己鍛錬は欠かせない。辛いことから目をそらさず、己と向き合い、精進の道を歩み続ける。
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4月18日