柏尾町の小柳さん 巣箱で野鳥見守り10年 近隣へも提供 愛護心育む
柏尾町在住の小柳峯人さん(73)は、10年ほど前から自宅の庭に野鳥のための巣箱を設置している。スズメやシジュウカラ等が子育てする様子を見守る活動は近隣住民や小学校関係者の関心を集め、次第に巣箱の製作依頼も舞い込むようになった。小柳さんは依頼に快く応じ、野鳥を愛護する心を広げてきた。
「小鳥は友達」――。そう言って庭に降り立ったキジバトに慈愛の目を向ける小柳さんの出身は鹿児島県。海や山で遊んで育ったことから、身近な野鳥にも親しんでいった。
戸塚区に越して35年。餌をやるうち、庭にはスズメやシジュウカラ、メジロ、ヒヨドリ、キジバトなど多種類の野鳥が飛来するようになった。
「定年後の趣味を持ちたい」と始めたのが巣箱の製作。初めは購入したものを見本にしたが、自作すると隙間ができてしまう。そこで設計図を作成、数個目からは納得のいく巣箱が作れるようになった。
庭の木に設置すると、早速、シジュウカラが住み着いた。4月に産卵、雛がかえると雄と雌がエサ運び、5月には雛が巣立った。小柳さんは「自分の子を育てるくらい楽しい」と喜びを感じた。以来、毎年「新しい住人(鳥)」が越してくるようになったという。
「人との交流が増え、幸せ」
「楽しさを多くの人と分かち合いたい」。希望があると知人らにも巣箱を提供した。その後、自身が会長を務める柏尾町第二公園愛護会も属する戸塚区公園愛護会連絡協議会の活動として位置付けられ、イベント会場や小学校で活動紹介とともに巣箱が展示されるようになると、近隣住民や小学校からの製作依頼も増えた。同協議会の小動物育成部会のメンバーとともに要望に応え、これまで50個以上の巣箱を製作してきた。
巣箱を提供するだけでなく、小柳さんは依頼先に出向き設置まで行う。「巣箱があっても、環境によって鳥は入らない」からだ。蛇やカラスが近寄れない場所か、また、飛来してほしい鳥の種類によって、設置する高さなども違う。
設置先からは「鳥が入った」「雛が生まれた」など、嬉しい報告がくる。自宅には近所の子どもたちが、「会長さん、鳥見せて」と立ち寄ることもある。
「(活動を)やって良かった。近所の子どもたちとの会話も多く、周囲との交流も増えた。今73歳、とても幸せだよ」。野鳥を愛で、命を大切にする活動を今後も続けていくつもりだ。
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4月18日