第49回神奈川県美術展の工芸部門で入選した 森田 晶子さん 県立上矢部高校 美術陶芸コース2年生
負けず嫌いが導いた快挙
○…渾身の作である白彩黒泥大壺「雪華」が、「県展」と呼ばれる県内最大規模の公募美術展で入選した。同校では21年ぶりの快挙。「窯に入るぎりぎりの大きさ」という高さ50cmほどの大きな丸みを帯びた壺に、白と黒のグラデーションで雪景色を彷彿とさせるような淡い色合いを重ねた。入選の知らせは自宅のポストに届いたはがき。「すごく嬉しかった。お母さんと一緒に喜びました」と無邪気な表情で心から喜ぶ。
○…中学校時代に所属していた美術部の課題で陶芸に触れたことが、始めたきっかけ。立体を作る魅力にはまった。高校では陶芸部に入り、今年から部長に。「作品を作っているとき、陶芸のことを考えているときが、本当に楽しい」と繰り返す。とりわけ上手く焼けたときの感動はひとしお。中でもシンプルな形と色合いをした壺の製作を好むという。「夏休み中は部活に入り浸りで、宿題をやっていません」と苦笑い。まさに陶芸に夢中だ。
○…県展の作品は5月末から製作を始め、完成までに要した期間は約1カ月。その間、毎朝7時には登校し、放課後は下校時間を過ぎても打ち込んだ。そこには「前回の失敗をリベンジしたい」という強い決意があった。昨年の県高等学校総合文化祭に出展するための壺が、焼いたら割れてしまったという。「悔しかった。いつも途中で投げ出したくなるけれど、今回はしたくなかった」。自他ともにも認める”負けず嫌い”。教諭から勧められた県展への出展が大きなチャンスとなった。今では「あのときに失敗していて良かった」と笑えるほどだ。
○…今は11月から始まる総合文化祭に向け、製作に没頭にしている。校内からは立体部門で5人しか出展できないため「まずは校内選抜で勝つのが目標」と前を見据える。平日は気を張っている分、休日はアルバイトや友人と遊ぶことも。「息抜きの時間です」と高校生らしく笑った。
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