名瀬町の閑静な住宅街の一角で、昼下がりになるとパチパチと軽快な音が響き始める――。
ここは加藤穣さんの自宅。10年前から応接間を開放し、7段の腕前を生かして地域の囲碁愛好家に指導している。月曜から木曜まで、レベルに応じた教室に通う会員は計40人。囲碁史について講義もしており、受講料を支払うとの申し出も受けるが、「所詮遊び」と断り無償で続けている。
小学5年生頃、自宅に下宿していた若者から手ほどきを受けて始めた囲碁。中学時代には大人も負かすほど腕を上げ、大学で囲碁部に所属。商社マンとして働き始めるとその実力はすぐに社内でも有名となり、役員室に呼び出されては囲碁の相手役を務めていた。
かつて指導していた教室で、勝負にこだわったあまり漂った険悪ムード。苦い想い出を教訓に、今、何よりも大切にしているのは囲碁を通じて広がる人の和だ。「ここでは皆に楽しんでもらいたい。それが自分の楽しみでもあるんです」。
囲碁の虜になる誰もが魅力にあげる「奥深さ」。会員の飯塚秀男さんは、「敗因はたいてい”焦り”。ゆったりと振り返る余裕がなければ勝てない。囲碁では人生哲学も学べるし、1、2度対局すれば相手の性格も見えて、まるで10年来の友達のようになれる」。教室に関する問い合せは【電話】045・812・2157、加藤さんへ。
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