音楽療法士として高齢者を対象に講座などを行っている 高橋 亮太郎さん 秋葉町在住 48歳
音楽という薬で元気に
○…「音楽療法士」として起業し、今年で5年目を迎える。認知度は決して高くないが、地域ケアプラザや介護施設、地域の町内会館などで、健康になりたい高齢者や認知症患者らを音楽の力で癒す。青春時代にはやった歌や懐かしの唱歌など、参加者にとってのソウルソングを使うことを重視し、キーやテンポは参加者の調子に合わせる。主催者がやりたい曲と参加者が聞きたい曲は違うことが多いからだ。「本人が楽しくなければ継続はできないので」
○…音楽療法という言葉を知ったのは約10年前。活動を始めてしばらくはデイサービスの職員として働き、利用者に向け、療法を行ってきた。重度の認知症でも好きな音楽が流れれば自然と体が動くのだという。利用者が楽しげに過ごすようになったある時、同僚に「他の施設はもっと沈んでいる」と聞かされた。「あちこちでやってあげたい」。その思いから会社を設立した。有料サービスはすぐには受け入れられなかったが、ワンコインのうたごえ倶楽部から始まり、今では栄区役所での連続講座、地域の老人会など、徐々に活動の幅は広がっている。
○…サッカーが好きで、横浜フリューゲルスの追っかけをやっていた時期もある。今でも雑誌に夢中になって電車から降り損ねたり、面白い試合やW杯は深夜でもつい見てしまったりと熱は冷めきらない。地域の歴史を調べることも好きで、その知識は現在の活動で高齢者と話すときの話題としても活用している。「話すのは旅行会社で働いていた時に鍛えられましたから」。
○…声を出し、耳で聞き、手を動かし、歌詞を読み、さまざまな感覚を使うことで脳も活性化する。「好きな音楽を楽しむことは、ある時は興奮剤に、ある時は鎮静剤になる」。今年からは言葉の発達が遅れている子どものために、発語音楽療法もスタートさせる。音楽という「薬」で人々の心と体を元気にするため、また新たな一歩を踏み出す。
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4月18日