区民を守るため、地域の防災対策などに注力する 坂野 満さん 戸塚消防署長 56歳
信頼は厚く、判断は冷静に
○…東日本大震災から3年。戸塚消防署でも防災のための対策を地域とともに進めてきた。今年度は道路が狭い地域や丘陵地など、震災時に延焼拡大火災が危惧される地域を選定し、各地域で対応計画の策定や火災時の訓練を行ってきた。先日、駅前で起きた火災の際も地域の消防団の活躍があったという。「実は戸塚区が市内で一番消防団員が多い。定数には満たないが、もっとも活気ある地域だと感じる」
○…大火災の高層ビルが舞台の映画『タワーリング・インフェルノ』。その物語で活躍する消防士の姿に憧れ、「自分も消防車を運転し、人命救助をしてみたい」と消防士の道を目指した。前任の磯子区では爆発を伴う大規模な工場火災で陸海空からの消火活動の指揮を執ったこともある。「ゾッとしたのが、隊員が引いた数分後に大爆発したこと。危険な任務では隊員の安全を確保し、時には引くという勇気も必要」
○…学生時代からずっと野球を続けており、現在も消防局の野球部で監督を担っている。休日はゴルフに出かけ、仲間と会話をしながらコースを回り、リフレッシュ。「仕事では常に危険が伴い緊張するのでリフレッシュすることも大切。現場から署に戻ったときに緊張感が開放されるような風通しの良い職場になるようにしている」と笑顔を見せる。
○…昨年は区内の火災発生件数が1986年以来もっとも少なく、死者数はゼロだった。「これも区民の皆さんの日ごろの気配りによるもの」。自分自身、家族、財産を守るための例に、住宅用火災警報器の設置・点検や地域の消防団での活動などを挙げる。火災警報器があったことで本人や近所の人が火災に気付いた事例もあるという。「区民の方がためらいなく119番通報できるよう信頼関係を築く。仲間を信頼し、命を預ける」。信頼は厚く、判断は常に冷静に、区民と隊員の命を守る。
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