休業日のある商店の前。100円玉を手にした小学生の女の子が10円、20円と値札が張られたかごから駄菓子を選ぶ。「10円、30円……、全部で100円ぴったりです」と女性が告げると女の子は「よかったー」と安堵の表情を浮かべた。
ここは、第1・3水曜日の午後2時〜5時限定で常盤商店前に現れる「だがしや しなの」。数十種類の駄菓子から1人100円まで購入でき、「こども店長」として20分間、店を手伝えば10円の駄菓子1つがもらえるというサービスもある。品濃小学校のPTA経験者からなる「しなのサポーターズ」(山田純子代表)が企画し、同校の初代PTA会長で地元の町内会長の常盤さんの協力を経て、行っている。うだるような暑い日も雪が降る寒い日も有志で店を開き、6月で5年目を迎える。すっかり子どもたちの憩いの場となっているようで、「常連の子になると『○○ちゃんが来たら公園にいるって言っといて』なんて伝言を頼まれることも」と山田代表は笑顔を見せる。
開店当初はベビーカーで来ていた子が友達と来るようになったり、足し算ができなかった子が暗算できるようになったり、「大きくなったなあ」と感じることも多いという。子どもだけでなく、「懐かしいわね」「孫に買おうかしら」と高齢者が足を止めることも。多くの人が訪れるのは、「ドアも壁もない道端だから」。客だけでなく、道行く人にもあいさつしやすいという。「このやり方なら、場所を貸してくれる人さえいれば、どの地域でもできるはず。他の場所でも広まったらいいのに」
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