帯仕立てとしての技能が認められ、今年度の横浜マイスターに認定された 水守 康治さん 深谷町在住 72歳
諦めない強き心
○…「どんな生地でも生地自体が弱っていなければ帯を作る事が出来る」と表情を引き締める。市民の生活・文化に寄与する優れた技能職者「横浜マイスター」として横浜市に認定された。マイスターの称号を得たことについて「これまでは仕立て屋さん、これからはマイスターとして活動できる事は大きな違い、技術を認めてもらい素直に嬉しい」と満面の笑み。顧客と相談してふろしきなどでも帯にすることが可能。過去にはネクタイを帯にした事も。九寸名古屋帯や袋帯だけでなく、自身が考案した名袋帯など、自由な街着と礼装用とを使い分けることが可能な帯もオリジナルで作っている。
○…石川県輪島市で育つ。ある時、帯仕立ての師が生徒を探しに訪ねてきた。姉が着物をやっていた事もあり、「なんとなく」帯職人としての道を行くことに。東京都内の帯専門の仕立て屋での修行を約10年間経験。修行中は「男性は自分だけで、ほかはみな女性だったので、怒られる役目はいつも自分だった」と当時を振り返る。「通常、修行期間は4、5年だが、そこで約10年間修業を積んだ」。修業期間での勉強が現在の技術の幅の広さとして息づいている。その後、1970年に現在の有限会社帯康を設立。
○…最近の趣味は奥さんと鎌倉などの街をドライブしたり歩いたりすること。しかし、長期の休みがあっても、気付くと仕事場に座っているそう。「ここが一番楽なのかもしれない」と安心感に満ちた表情を浮かべる。好きな言葉は「諦めない」事と、昔から父に言われていた「人をうらやむな」。
○…現在は講師として全国を回っているが、今後は「もっと気軽に帯に接する事が出来れば」とカルチャー教室のような場所でも教える事を予定している。「接する事が出来、分かる事であれば何でもお答えします。私のようなもので良ければご相談下さい」と優しく話した。
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