第23回横浜環境活動賞の表彰式が6月14日、市長公舎で行われ、舞岡中学校科学部が「児童・生徒・学生の部」の大賞を受賞した。近隣の小学校や高校と連携し、舞岡川に生息する「ハグロトンボ」の生息状況や縄張り行動の調査を行ったことなどが評価された。
横浜市は毎年、環境活動を積極的に行っている個人や団体を「横浜環境活動賞」として表彰している。
同部は「児童・生徒・学生の部」の大賞と同時に、生物多様性の保全・再生・創造に特に貢献している団体を表彰する「生物多様性特別賞」も受賞した。
長期観測を実施
同部は創設3年目。主な活動は「ハグロトンボ」というトンボの観測だ。その名の通り黒い羽が特徴で、川沿いに住む「カワトンボ科」の一種。舞岡川にも生息する。かつては市内各所に生息していたが、水質汚染などが原因で1960年代後半にはほぼ見られなくなったという。
その後下水道の整備などにより河川環境が改善すると、再び確認されるようになった。このことから、ハグロトンボは河川の環境指標のひとつとして有効な生物と考えられている。
同校では4年前から舞岡小学校・舞岡高校と協力し、生息状況の調査を行ってきた。同部の宮崎裕明顧問は「これまであまり研究されていなかった生息数の経年変化や、縄張り行動などを丁寧に調査した点が、評価されたのでは」と話す。
多世代調査で刺激を
同部は現在、下水道普及とハグロトンボ復活との関係を科学的に裏付けしようと、研究を行っている。
今回表彰を受けた研究は、国土交通省が進める「下水道を核とした市民科学」としてさらに進めることになった。7月27日(水)には、愛知県で行われる「下水道研究会」で発表する予定だ。
現在、ハグロトンボが見られなくなった1960年代以前のデータがほとんどないため、近隣の高齢者への「聞き取り」も含めた調査を行っている。同部3年生の石井ひなたさんは「毎年新しく発見することがあるのが研究の魅力」と話す。
また7月25日(月)には、横浜市立大学木原生物学研究所も加わり小・中・高・大の合同調査を行う予定となっている。宮崎顧問は「様々な世代が同じテーマで調査をすることは、互いにとって大きな刺激になる。将来研究者になりたいという子が出てきてくれれば」と期待を込める。
同部では現在、1950年代以前の、舞岡川や柏尾川の情報を募っている。川の景観を収めた写真や、生き物の記録など。問い合わせは、同校科学部【電話】045・822・2722(宮崎顧問)へ。
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