横浜市がこの5月から全区で始めた、ひきこもりの若者を対象とした相談窓口の開設。専門家が月2回、各区役所で本人やその親から相談を受けるという新たな取り組みだ。戸塚区では開始から2カ月の間に既に8人が訪れており、問題を抱え、苦しむ人の多さをうかがわせている。
市の新たなひきこもり相談の戸塚区の窓口となっているのが生活支援課。同課によると、5月24日、6月14日、28日、7月12日の計4回の間に訪れた相談者は8人を数える。担当者は「当課では電話予約を受けていますが、マスコミ報道もあったことから相談者が訪れています」と語る。
南部ユースプラザが対応
実際に対応するのは、戸塚区を担当する「よこはま南部ユースプラザ」の渡辺克美施設長。同プラザは、ひきこもりや不登校などの若者の相談を受けるほか、社会参加体験プログラムなどを実施する市が設置した機関だ。
相談時間は1回50分(無料)。訪れるのは本人ではなく、その親などがほとんどという。年齢は対象を15歳から39歳までとしていることからその間の人だ。渡辺施設長は「昼夜逆転しているかなど今の生活状況を聞き、今後どうしたいのかという親御さん、ご本人の希望を確認します。重要なのは、家族を孤立させないこと、相談機関があることを知ってもらうことです」と話している。区の相談会ではその部分を周知し、南部ユースプラザの利用を勧めている(無料)。
就労機関につなぐ
ユースプラザでは、読書やパソコンが利用できる居場所をまず提供する。続いて少人数プログラムとして茶会、慣れてきたところでグループプログラムの夕食会などに進む。さらにビジネスマナーを学んだり、ボランティア体験をしたりして社会に出る成功体験を積み重ね、最終的に就労に向けた支援を行う機関「若者サポートステーション」にバトンをつないでいく。
40歳以上も対策を
横浜市の2013年の調査によると、市内の引きこもり状態の若者は8千人いると推計され、適切な対策が今後一層求められる。渡辺施設長は「次の課題としは、40歳以上のひきこもりの方への対策を新たに取る必要があります」と語る。
戸塚区の相談は、8月は9日、23日、9月は13日、27日(午後1時半〜4時半)。予約は生活支援課【電話】045・866・8431。
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