俣野・深谷地域にある3団地の自治会は、8月29日、(公財)横浜市緑の協会と「災害協力覚書」を締結した。これを機に、災害発生時、同協会が管理する俣野公園が3団地の住民らに開放されることとなった。
地域防災拠点を補う
今回の締結は、県・市ドリームハイツ、アークプラザ戸塚の自治会から同協会に要請し、実現したもの。
その背景となったのは、3団地の地域防災拠点(※)である横浜深谷台小学校の収容人数の問題だ。3団地の住民は、計約5900人に上り、全員が拠点に避難することは考えにくいものの、各自治会にとって避難場所の拡充は従来の課題であった。県ドリームハイツで防災活動に注力し、覚書締結を主導した市川輝雄さんは「日頃の活動を通して、派遣ボランティアの待機場所や負傷者の救援基地を確保できる施設の必要性を感じてきた。そこで、広大な土地を誇る俣野公園に協力を仰ごうとこの覚書を考案した」と経緯を振り返る。
具体化へ向け協議
覚書の主な内容は、大地震や風水害などの災害が発生した際、市緑の協会は俣野公園を各団地に開放し、共に応急活動を実施するというもの。現時点で決まっている事項はここまでだが、具体的な案としては、救援物資の仕分け作業場などに公園内の野球場を利用することなどが挙がっている。
市緑の協会の石向(いしこう)友昭さんは「公園は周辺に比べ、平坦で起伏の少ない構造なので比較的安全」と補完施設となる利点を述べ、「当公園は広域避難場所でもあるが、これまで3自治会とは相互に協力してきた関係もあり、是非力になりたいと思った」と受託した動機を語る。また、各自治会会長らは「今後は公園側との訓練などを積極的に行い、互助できる体制を整える。加えて定期会合も開き、施設活用の具体化を図っていく」という。
区総務課危機管理担当の田中均(ひとし)係長は「自治会と隣接施設が協定を結ぶことは珍しく、一歩進んだ試みだと思う。他の施設や業者らが持つ広間などを地域の方に開放するきっかけになれば」と、今回の両者の取り組みを評価している。
※地域防災拠点…災害時、身近な市立小・中学校を「指定避難場所」とする市の活動。主に防災資機材や食料の備蓄などを行う。
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