現在80歳の一瀬正治さん(平戸在住)が、9月24日〜28日に中国・如皋(ルガオ)で行われたアジアマスターズ陸上競技選手権に出場し、5種目で金メダルを獲得した。元々は体力づくりのため、定年後に始めた陸上競技だったが、今では様々な大会で優勝するように。「陸上が楽しくて仕方がない」と話す。
同大会は35歳以上であれば成績に関係なく参加することができ、5歳ごとにクラスが分かれている。20回目となった今回は、開催国の中国をはじめ、インド、タイなどアジア各国から約4000人が競技に臨んだ。
一瀬さんが出場したのは80歳〜84歳男子の部で、幅跳び、三段跳び、高跳び、100m、4×100mリレーの5種目。今回このすべてで優勝するという快挙を成し遂げた。
特に大会2日目は土砂降りで「思うように記録が伸びなかった」というが、幅跳びでは2位に0・32mの差をつける3・41m、三段跳びでは0・73m差の7・49mという記録を残した。
一瀬さんは金色に輝く5つのメダルを手にしながら「よく5枚も取れたなあ」と嬉しそうに話す。
「恥ずかしい経験」糧に
一瀬さんが陸上を始めたのは定年退職後。勤めていた金融機関ではデスクワーク中心だったこともあり、体力づくりを目的に、散歩やジョギングから始めた。
そして62歳の頃、「体力テストに」と参加した横浜市の市民大会で、忘れられない経験をする。100m走で、屈んだ状態から走り出す「クラウチングスタート」の仕方がわからず、何度も仕切り直しに。結果は最下位だった。「本当に恥ずかしかった。それ以来、なんとか記録を伸ばそうと練習をしました」。陸上経験のない一瀬さんは、活躍する選手の姿を観察し、真似するところから始めた。
練習場所はもっぱら、自宅近くの市児童遊園地。短距離走を中心に汗を流す。幅跳びや高跳びの練習環境がないため「本番がそのまま練習となる」と思い、全国各地の大会に年15回程度のペースで出場。60代半ばで記録のピークを迎え、70代半ばまで保ち続けると、自然に優勝回数が増えていったという。
「のぼり詰めた感じ」
今回のアジア大会では、100m走で優勝できたことが嬉しかったそう。「初出場の大会での体(てい)たらくを思えば、のぼり詰めたという感じだね」と笑う。
中国への9日間の遠征から帰った翌々日には、八王子で行われた大会に出場し、ここでも複数種目で優勝するなど体力・気力ともにまだまだ充実している様子。今月末には和歌山県で全日本大会があり、複数種目で優勝するのが目標だ。「趣味でやっているわけだから意気込みすぎず、今後も続けられる範囲で続けたい」と話した。
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