「うたの力」というイベントが11月29日(木)、戸塚公会堂で行われる。企画するのは「静香ママ」の愛称で親しまれる小林香代子さん。この夏に戸塚町で四半世紀愛されてきたカラオケ店の看板をおろした彼女は、自身を支えた「歌」で地域貢献しようと再出発する。
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閉店の日を迎えた8月の昼ごろ「カラオケ静香」を訪問すると、常連客というふたりの女性が歌謡曲を歌っていた。数年前、この店で知り合って以来の友人という。「寂しくて泣きそう」と口を揃える彼女らを見つめる、小林さんの微笑みが印象的だ。この日は夜にかけて、市内外から続々と馴染みの客が訪れ、歌い、閉店を惜しんだ。
同店は94年に開店。当初は夜のみの営業だったが、約10年前から「地域に開かれた場所」をめざしはじめた。きっかけは区画整理。店のある現サクラス裏への人の流れが途絶えたことだ。
活気を取り戻そうと、周辺店舗と協力し商店街の立ち上げに尽力。歌手とのつながりを生かし、地域の祭りへの出演を依頼した。さらに地域のカラオケ同好会の練習場として昼間の店を開放。徐々に全国の歌手や歌好きがつながる場所となっていった。体の不調にもたびたび襲われたが「いつも歌によって救われた」という。
母の介護をきっかけに閉店を決めた。後悔はないが、「歌で培ったつながりを失いたくない」という気持ちが残っており、今回のイベントを企画した。「お世話になった歌手や街の人が一緒に歌えるイベント。『うたの力』を感じてもらえれば」と小林さんは話す。
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