年頭にあたり、本紙では林文子市長に恒例の新春インタビューを行った。市長就任10年目を迎える林市長は「さまざまな施策が花開いている」と昨年までの成果を示すとともに、今年の市政運営への決意を語った。(聞き手/本紙・北原健祐)
――はじめに2018年の振り返りをお願いします。
「昨年は『ガーデンネックレス横浜2018』『Dance Dance Dance @ YOKOHAMA2018』『フランス映画祭2018』などを開催し、一年を通じて横浜の街は市内外からの多くのお客様で賑わい、活気に満ちあふれていました。
また、『世界トライアスロンシリーズ横浜大会』『横浜マラソン』等のスポーツイベントを通して、市民の皆様にスポーツの素晴らしさを感じていただけたと思っています。
国から『SDGs未来都市』に選ばれたことは、大変嬉しいことでした。環境の取り組みを軸に、経済や文化・芸術による新たな価値や賑わいを創出し、持続可能な都市の実現を目指していきます。
昨年は、全国各地で大規模な自然災害が相次いだ年でもありました。市民の皆様の安全・安心な暮らしをお守りしなくてはと、改めて思いを強くしています。
市民生活や経済活動を支える都市基盤整備も着実に進め、相模鉄道の星川―天王町駅間の全線高架化や、横浜環状北西線のシールドマシンの掘削を完了しました。
横浜の確かな成長に向け、多くの市民・企業・団体の皆様とご一緒に、大きく前進することができた一年でした」
――2019年度の予算や重点施策、主な新規事業についてお聞かせください。
「昨年策定した中期4か年計画を着実に進めていき、子育て・教育、医療・福祉、災害対策等のさまざまな分野で、安心・安全な市民生活のために全力で取り組んでいく考えです。
また、今年は、国際都市、文化芸術創造都市としての存在感を一層高めることができる国際的なビッグイベントが相次いで開催されますので、その賑わいと活力を、横浜経済の発展、持続的な成長につなげる決意です」
子育て支援を継続林市長インタビュー
「8月の第7回アフリカ開発会議、9月に開幕するラグビーワールドカップ、そして2020年には東京五輪・パラリンピックが控えています。危機管理対策はもちろん交通輸送、救急医療、ボランティア運営など、安全で円滑な運営に向け、しっかり準備を進めます」
ハマ弁、周知強化へ
――子育て・教育施策についてお聞きします。
「子どもは未来をつくる力です。誰もが安心して妊娠・出産し、子育てができるよう、切れ目のない子ども・子育て支援、教育の環境と質の向上に取り組みます。ハマ弁は、価格や栄養バランスの点で、他都市のデリバリー型給食と比べても遜色のない内容です。多くの方にご利用いただけるよう、ハマ弁の良さをPRしながら、喫食率の向上に取り組んでいきます」
――災害対策・環境面では?
「災害対策では、昨年、ブロック塀の改善工事等の補助制度を設け、市民の皆様から1千件を超えるお問い合わせをいただいています。これからも引き続き、防災・減災対策に取り組みますが、いつ起こるかわからない災害への対策では、市民の皆様にも自助・共助に取り組んでいただけるようお願いしたいと思います」
IR誘致、明言せず
――カジノを含むIR(統合型リゾート)についての考えは?
「IRは観光立国の実現や将来にわたる経済成長に向け、日本で初めての取り組みとして進められています。現段階で横浜市は誘致について『白紙』ですが、今後、政省令など国から示される情報を把握しながら、横浜市にとって、そして、市民の皆様にとって一番良い方法を総合的に考えていきたいと思います」
――山下ふ頭再開発のビジョンは?
「山下ふ頭については、倉庫の移転などの協議を進めています。更地化したエリアは、東京五輪・パラリンピック期間中のホテルシップの受け入れ、また、来年の夏には実物大の動くガンダムの公開も予定されているので、これらの活用に向けて取り組んでいきます」
――市民への新春メッセージをお願いします。
「国際的なビッグイベントが相次いで開催されるチャンスを生かして、文化芸術の振興、魅力あるまちづくりを加速させ、市民の皆様に横浜に住む幸せを実感していただけるよう、また、ワクワクするような明るく希望に満ちた横浜を皆様とともにつくりあげていきたいと思います。市長として10年目を迎え、これまで取り組んできた施策が花開いていると実感しています。これからも地道に、皆様に喜んでいただけるよう、頑張っていきます」
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