藤沢市在住の鈴木良明さん(72)が、江の島の信仰や歴史をまとめた新書「江島詣―弁財天信仰のかたち」を出版した。
「かつて江の島は弁財天の島として人々を引き付けた。そのことを知るささやかな手がかりになれば」と鈴木さん。本作は、江の島の弁財天信仰、発端や始まりを意味する縁起の説明からはじまり、中世の江の島や江戸幕府との関係、江の島詣、最後に明治維新と現在の江の島までつづられている。数多くの歴史的資料や浮世絵も掲載し、江の島の繁栄を支えた弁財天信仰の変遷が描かれている。
幼少の思い出がきっかけに
小学生の頃から、江の島は絶好の遊び場だったという鈴木さん。薄暗い岩屋の探検は特にスリリングで、そうした思い出が研究のきっかけに。30年ほど前から構想を進め、その成果を一冊にまとめた。「江の島は資料も豊富で情報が多く、取捨選択に苦労したが、歴史をひも解くことは楽しく喜びだった」と話す。
同書は有隣新書より1000円(税別)で販売中。新書版224ページ。
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