舞岡町の上田桂子さん(77)と深谷町の齋藤武彦さん(65)が神奈川県県民功労者表彰を受賞した。上田さんは民生委員児童委員としての長年にわたる地域福祉活動、齋藤さんは食鳥肉の販売業として衛生環境の向上に努めてきたことが評価された。
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この表彰は公共の福祉に貢献し、その業績が特に優れた人を称える県の最高表彰のひとつ。主に、団体や地域の活動などを通じて社会福祉、保健衛生、産業・経済、教育・文化、生活環境などの各分野で長年にわたり活躍した人に贈られる。今年度は40人が選出された。
「顔の見える関係」が大切
上田さんは1992年、上倉田地区の民生委員児童委員に。長年にわたり、地域においてつねに住民の立場に立って相談や支援に応じ、子どもたちが元気で安心して暮らせるよう見守りなどを行ってきた。「周囲の支えがあってこそ続けることができた。とても嬉しい」と喜ぶ。
活動を続けるなかで、一人暮らしの年配の多くが、具合が悪くて外出できず、掃除がおろそかになるなどといった課題を抱えていることに着目。その部分を援助しようと16年前、上倉田町と舞岡町の一部に広がる小田急分譲地内で、独居高齢者や体が不自由な人に向けて買い物やゴミ出しなどを支援する「小田急助け合い“すみれ会”」を発足させた。同時に、世代間交流ができるサロンも開設。地域の主婦や定年退職した男性も交えて運営してきた。「ボランティア側も作業しながらまちの人と会話に花を咲かせることができる。楽しく“顔の見える関係”を作ることは大切です」と話す。
一方で、民生委員児童委員の高齢化や奉仕に対する関心の低下などによる担い手不足を懸念。「上倉田地区の委員は18人ほど。今年で定年なので、もっと活動のやりがいを広く伝え、人員の増強に努めたい」と意気込む。
鮮度や質の高さが強み
齋藤さんは、3代目を勤める食鳥肉卸業の「鳥勝」(金沢区)を経営しながら「県食鳥肉販売業生活衛生同業組合」の理事長として17年間活動に尽力。同組合は食鳥肉の小売店舗・卸業29社から組織され、鮮度や品質、衛生面に注意を払い、安心・安全な食鳥肉を提供する。「活動を認めてもらい励みになる。今後も食の安全に努めます」と話す。
具体的な取組としては「国産とり肉の日」である10月29日の前後で特売などを実施。またボランティアとして、知的障害のある人が行うクリスマスキャンプでローストレッグの寄贈も行っている。
組合の加入店舗は年々減り、特に小売店舗の減少は著しいという。活性化のため、若手メンバーを中心とした「青年部」が交流会を行うことで、横のつながりを強化するなどしている。「鮮度の良さやお客さんの目の前で揚げたての鶏肉を提供するなど、きめ細かいサービスができるのが小売り店舗の強み。そこをPRしつつ食鳥肉の普及につなげたい」と力を込めた。
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