南戸塚小6年2組の瀧口嵩太(こうた)君が、病気などで髪の毛を失った子どもに人毛の医療用ウィッグを寄付する「ヘアドネーション」に取り組んでいる。「多くの人に知ってもらい、1人でも参加する人を増やしたい」と話している。
これまでも募金や清掃活動など、多くのボランティアに取組んできた嵩太君。2歳上の姉がヘアドネーションを始めたことをきっかけに、小学校3年生の終わり頃から約2年半、髪を伸ばし続けている。
しかし道のりは平坦ではなかった。周囲から好奇の目を向けられることが度々あり、泣きながら家に帰ったことも。見かねた母親の英子さんから「髪切ったら?」と言われても、決して首を縦に振ることはなかった。その理由は「誰かを助けたい」という気持ちと、伯母が乳がんに罹り、抗がん剤の副作用で髪を無くしたこともある。「病気などで頭髪が薄くなってしまった人に比べたら、からわれることなんて大したことなかった」と思いを語る。そうした中、学校の協力のもと、同学年のクラスへ説明に回った。「みんなが分かってくれた時は嬉しかった。友達と遊ぶことも増えて楽しい」と笑顔を見せる。
約35cmを寄付
世界中で行われているヘアドネーションは、日本では2015年に女優の柴咲コウさんが活動に参加して以来、注目を集めている。寄付する髪の基準の長さは、31cm以上。嵩太君は首から腰あたりまでの35cmを、小児がんなど病気の子ども達に向けた医療用ウィッグを製作する「女子高生ヘアドネーション同好会」に送るという。
2年半を振り返り英子さんは「よく頑張ったと思う。自分で説明をしたり負けない姿勢を見て、強いなと思った。一方で髪が短くなってしまうのは寂しい」と胸中を語る。嵩太君は「大変なこともあったが、心が折れなかったのが自分でも不思議。もう十分伸ばしたと思うし、寂しさはない。ヘアドネーションをやめても、ボランティアは続けていきたいです」と声を弾ませた。
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