戸塚警察署(佐宗茂署長)管内における今年1月からの振り込め詐欺被害件数が57件にのぼり、県内54署中で最も多いことがわかった(8月14日現在・暫定値)。とりわけ7月に入り「還付金詐欺」を中心に急増。同署は注意を呼び掛けている。
過去最悪の被害件数だった昨年同時期に比べ21件減少しているものの、被害件数57件は県内最多。被害額は約9300万円にのぼる(昨年同日比マイナス約5300万)。
特に被害が多かったのは7月で、1カ月間で計15件(暫定値)にのぼった。このうち「還付金詐欺」が7件で、大きな割合を占めている。
還付金詐欺で多いのは、戸塚区役所などの職員を名乗る者から「医療費の過払いがあり、金融機関から連絡があるから指示に従って」という電話がかかってくる手口だ。
その後実在する金融機関の名前をかたった者から電話があり、商業施設の中など人目のつきにくい無人ATMへ誘導。機械操作に不慣れな高齢者に対し、電話で指示を出しながら入金させる。
また銀行員や警察官を名乗り、自宅へキャッシュカードや現金を取りに来る「手渡し型」の詐欺も依然として多い。
「地域交流も重要」
7月には、詐欺を目的に区内の自宅に訪れた男が検挙されている。きっかけは、被害者と男が会話しているのを耳にした隣人による通報だ。同担当者は「ふだんから近所どうしが気にし合ったり相談し合うような地域交流は、詐欺を防ぐ点でも重要」と説明する。
同署は現在、無人ATMを中心に警戒にあたるほか、各家庭へ訪問し注意喚起を行っている。「被害者のほとんどが、振り込め詐欺の存在を知っていながらだまされている。誰にも起こりうる犯罪と思い、電話でお金の話が出てきたら必ず家族や近所の人に相談を」と話す。
遊技場組合が一手
横浜遊技場組合戸塚支部(飯島隆史組合長)は8月15日、振り込め詐欺の被害防止に寄与しようと、迷惑電話防止機器500個を戸塚防犯協会(相澤稔会長)に寄贈した。同会から区内の高齢者を中心に配布される。
この機器はさまざまなタイプの電話の受話器に取り付けることができ、録音している旨を伝えるアナウンスが流れたあとじっさいに通話録音を行う。同署担当者は「詐欺グループは録音していることがわかるとすぐに電話を切ってしまうため、このような機器の設置は効果的。これからも官民一体で詐欺防止に努めていきたい」と話している。
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