区生活衛生課と横浜薬科大学が協働で作成した「薬物乱用防止リーフレット」が先月完成した。若年層の大麻検挙者が増加傾向にある状況を踏まえ、より依存性の高い薬物の使用を抑止しようと区内の大学生や専門学生に向けて作られたもの。今後、各校で配布される。
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完成したリーフレットはA4判、両面カラー。違法薬物について「体に害を及ぼす」「所持だけでも捕まる」「先輩や仲間からの誘いがあっても断る」の3点を強調させるレイアウトに仕上げた。
「大麻」がきっかけに
作成の背景にあるのは、若者の大麻検挙者数の増加。県下では2017年に計303人、2018年に計369人が検挙され、うち20代以下はそれぞれ135人、213人に上った。これを受け、大麻使用者は覚せい剤など、より依存性の高い薬物に手を染めやすいことから、区生活衛生課は若者に向けた啓発リーフレットの作成を企画。高校卒業後、乱用防止の教育を受ける機会が減る大学生や専門学生をターゲットにした。
区は製作にあたり、横浜薬科大学に協力を依頼。薬物に関して多くの研究実績を持つ篠塚達雄教授と長年学校薬剤師として乱用防止教育に携わってきた田口真穂さんが、各学校で後期日程が始まる9月の配布を目途に4月頃から作成を進めてきた。
「菓子に混入」のケースも
若者が大麻を使用する理由として県警薬物銃器対策課は、「簡単かつ安価で入手可能で若者が集まる場所に持ち込まれやすい」と分析する。
リーフレットではこうした点も踏まえ、具体的な事例として、大麻が合法の国でつくられた成分入りの菓子を知らずに食べてしまうなどのケースを紹介。さらに、学生が日常的に利用するSNSを介した誘いが多い点にも触れている。「最近は見た目だけで“薬物”と判断できず、知らぬ間に巻き込まれて貴重な未来が奪われてしまうことも。被害防止の一手になれば」と教授らは力を込める。
また「友人が使用している」「好奇心から手を出してしまい、やめられない」といった悩みを抱える人に向け、24時間対応の無料相談ダイヤルの連絡先も記載。ほか、若者による自主的な乱用防止活動を促すため、怪しい薬物を見かけた際に通報できる窓口も紹介している。市川英毅生活衛生課長は「教授たちの協力があってこそ、実例に言及しながら作成できた。これが学生たちの意識づけに直結してくれたら」と話した。
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