矢部町在住の洋画家・清水のぶ子さんの作品が展示される絵画展が4月8日からさいたま市にあるデパートで開催。花や蝶など春の雰囲気あふれる作品が並ぶ。
「新型コロナウイルスで不安な日々が続いていますが、そんな時こそ美しい作品で安らぎを感じてもらえれば嬉しい」。清水さんは絵画展に向けて抱負をこう語る。
4月8日(水)〜14日(火)まで伊勢丹浦和店で開かれるのが「華蝶風月」展。花や蝶、美人画などを得意とする、清水さんを加えた4人の女性絵画作家の作品約40点が一堂に会す。期間中は作家が会場で作品解説も行う。
清水さんは10点ほど出品するが、このために描き下ろしたのが「春爛漫」。金箔の下地に洋風の顔立ちの美人画と鮮やかなピンク色のバラが描かれた華やかなもの。「花、金箔、美人画。私の好きな題材をふんだんに使いました」と笑顔を見せる。
トールペイントが契機
名古屋市出身の清水さんは、幼少時代から絵画鑑賞は好きだったものの、絵筆を握ることはなかったという。「難しそうで、自分にはできないかなと思って」。転機となったのは30年ほど前、部屋の飾りとして始めたトールペイントだ。すぐに夢中となり、オリジナル作品を生み出していく。そんな中、1990年代の中頃から5年間ほど夫の転勤に伴いニューヨークに居住、さらに腕に磨きをかけていった。08年にコンテストでグランプリを受賞し、本の出版や作品展、教室の開催など、プロ作家としての地盤を着実に積み重ねていった。
そして10年ほど前、いよいよ油絵を始めることに。トールペイントで培ってきたデッサン力が下支えとなり、コンクールに応募すると作品が何らかの賞を受賞。洋画に日本画の手法を大胆に取り入れる作風が徐々に確立していき、それが結実したのが「花蝶流水」。尾形光琳の「風神雷神図」をモチーフにしたもので、鬼の代わりにシャクヤクとバラを大きく置き、金箔の下地に銀箔で流水を表現。現代美術家協会本展 ターナー色彩賞を受賞する。以降、年に2回程度の個展も開いている。
絵のアイデアは日常生活の中にあるという。「電車に乗ったり、散歩をしたりしているときにふっと浮かびます」。戸塚区の柏尾川と桜を題材にした作品もそうした中から生み出されたものだ。「これからも美しいもの、奇麗なものを描き続ける」と話している。
絵画展は入場無料。営業時間などの問合せは福福堂の岡村さん【電話】050・5305・1280まで。
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