戸塚消防団の団長に就任した 鈴木 進さん 上矢部町在住 70歳
初心忘れず「消防」支える
○…火災時や大規模災害時に出動し、いざというときの地域防災の要となる7個分団、730余人の団員から成る「戸塚消防団」。その第10代目の団長として今春就任。戸塚区民28万人の命を支える責任ある立場に対して「私なんかが」と謙遜しながらも、「どんな形であれ尽力したい。災害時には少しでも多くの命を救えれば」と力強い。
○…宮城県出身。父親が消防団員で、呼び出しを受け夜半に出ていくそのうしろ姿を見て育つ。高校卒業後、就職を機に戸塚区へ。プロパンガス販売の会社という関係から消防とのかかわりも強く、30代前半で戸塚第4分団へ。「ここの人と出会えたのは本当に宝」と話すように当時の思い出は今も鮮明だ。入団当初の技術大会では、半年で72回の訓練の末、市で準優勝ができたと思わず笑みに。「消防団にはそれ以来どっぷりです」
○…23歳のときに結婚。仙台から妻を呼び寄せ、当時は机も何もない中で食事をしたと振り返る。あれから50年弱。今では2人の娘と5人の孫に恵まれた。「うるさいくらいに会う」と好々爺としての顔を見せる一方、災害時には妻を家に一人残して出動する厳しい一面も。思い出すのは東日本大震災でなくした叔父のこと。「区民にあんな思いはしてほしくない」と、昨年の台風15号時には娘に止められた中でも警戒にあたった。「やらなくちゃいけない。それが消防団の役目」。その覚悟は重い。
○…100%だった戸塚消防団の定員が今年に入り97・2%に。団員確保に意欲を燃やす中でも「入ってよかった」と思ってもらえるよう、厳しさと優しさの両立を目指す。コロナ禍で訓練も難しい中だが、「初心不可忘」の言葉を胸に、区民の生命財産を守る消防団をけん引していく。
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4月18日