品濃町にある横浜保育福祉専門学校(加藤孝夫校長)ではコロナ禍を受け、対面を極力避けながらオンラインを活用した少人数制の授業を行っている。学生たちはそれを「逆手」に取り、地域の子どもを楽しませようと料理づくりや絵本の朗読などのカリキュラムをWEBで公開する取り組みを始めている。
同校は(学)岩崎学園が運営する3年制の保育士等の専門学校として2007年に開校。通常、保育士の資格は2年で取得できるが、「現場で長く活躍できる実力を」との思いから3年次に少人数で専門的な学びを行う「ゼミナール制度」を採用。併設保育園での授業やプレ実習などを通じて社会や現場とのつながりを大切にし、地域貢献も兼ねた独自カリキュラムを実施している。
新型コロナの影響から、同校では新学期となる4月から全学生の登校を自粛。3年次のゼミ実施も危ぶまれる中、オンライン会議ツール「Zoom」を取り入れるなど例年とは違う学びの形を模索してきた。こうした中で学生たち自ら始めたのが、今回のWEB上での地域貢献活動だ。
自宅から料理講座を
食育を学ぶゼミでは、5月から「オンライン食育クッキング」を実施。同ゼミがこれまで行ってきた対面での料理講座のオンライン版で、自宅にいながら親子で料理づくりに挑戦できるという内容だ。そのほか使用する食材に関するクイズや三食栄養素の講話なども交えながら行っている。
これまで東戸塚駅近辺からの参加が多かったが、オンラインという特性でより広い地域の親子も利用できるようになり、7月11日には10組27人が集まった。ゼミ長の藤田明日美さんは「お父さんたちの参加も増えてきた」と利点を話し、「家で料理を楽しんでもらえれば」と呼びかける。その一方で、「やっぱり対面での実施をしてみたい」という本音ものぞかせるなど、もどかしい思いもあるようだ。
絵本を動画で配信
「絵本の研究」ゼミでは、「屋外で思い切り遊べない」といった話を聞きつけ、子どもたちを元気づけることを目的に「こども元気プロジェクト」を発足。5月下旬にはオリジナル絵本やお手玉などの玩具を制作し、その朗読や手遊びの様子をDVDに収録し、6月には県内保育園など8園に配布した。また、短縮版の内容を動画共有サイト「YouTube」でも一般公開している。
ゼミ長の大館桃花さんは「映像を通して外に出られない子どもたちに楽しんでもらいながら、子育てで大変なお母さん方を少しでも楽にできれば」と話している。
この動画はYouTube「横浜保育福祉専門学校!」のチャンネルで視聴可能だ。
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