市がICT(情報通信技術)の活用を支援する「横浜市自治会町内会新しい活動スタイル応援事業」で、オンライン会議の体験ができる講座の応募が10日時点で全体の約5割に満たない状況だ。市担当者は「高齢の町内会役員にはハードルが高い部分があるのでは。今後の支援方法を検討する」と話した。
9月の補正予算に盛り込まれた同事業は、新型コロナウイルス感染防止を日常生活に取り入れた新しい生活様式の中での、地域活動の継続と活性化を図ることを目的としている。市内253の地区連合町内会単位で申し込みをすると、スマートフォンアプリ(LINE)を使った情報伝達体験やオンライン会議の体験などができる出張講座を受けることができる。市連会などで応募を募り第1次募集(11月10日締切)では63地区と全体の2割強、12月10日に締め切られた第2次では53地区増え116地区となったが、全体の5割に満たない状況となった。こうした状況に市の担当者は「中には独自にWeb会議などを実施している町内会もあると聞いている。一方で、主に高齢者である町内会役員などICTに馴染みがない方にはハードルが高いのでは」と話し「気軽に参加して頂きたい」と呼びかける。
鴨居連合自治会(緑区)では、8月から月2回の定例会をZoomを活用して実施。同連合自治会の木村赳会長は「現状は三役のみで実施しているが、一度やってみると、思ったほど難しくないという言葉も返ってきた」と話す。
出張講座は17の事業者が対応し、2時間程度の講座を数回開催し、電話・メールなどによる質問や相談も受け付ける。既に講座を開催した町内会は数カ所あるという。
菊名地区連合町内会(港北区)では11月28日に初回の講座を開催。講座を聞いた同連合町内会の金子清隆会長は「ICTの基本をわかりやすく教えてもらった。今後町内会の会議などは徐々にペーパーレスに変わっていくと思う。きっかけ作りとして応募して良かった」と振り返った。
市は、参加町内会や事業者からのアンケートを集計し、今後の事業継続や町内会の支援方法を検討する予定だ。
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