正月の風物詩「凧揚げ」。近年見る機会は減ってきているものの、戸塚区内には今なお、盛んな地域がある。中心的な役割を担っているのが東俣野凧の会(石井教朗会長)。コロナ禍で活動自粛は続いているが、次世代に伝統を残していく強い思いは健在だ。
同会の立ち上げは30年ほど前にさかのぼる。1986年6月に創立した東俣野小学校の教諭に、石井会長が凧作りに精通していることを知っていた高校時代の同級生がおり、児童への作成指導を依頼。良い風が吹く小学校近くの境川沿いの休耕田で全校による大会が開校当初から開かれ、以後現在に至るまで毎年継続されている。支援をするうち、元々伝統的に凧作りに親しんできた住民により、自然発生的に会は結成されたという。
糸の張り方がポイント
同会が参加する凧揚げ大会は例年、端午の節句に合わせて同じ境川沿いでゴールデンウィーク中に実施。藤沢市から2団体も参加し、大きなものでは4m×4mの大凧が揚がることもあることから、数百人の見物客が訪れる。会のメンバーは前年秋ごろから凧の骨となる竹の伐採、絵柄の作成、飛行の最大のポイントになる糸張りなど、多くを手作りで行う。「糸の張り方が勝負所。全国に研究に行くこともあるんだ。絵柄は家紋や金太郎など、東俣野では生まれた男子の健やかな成長を願って縁起担ぎで揚げていた」と石井会長。
コロナで活動は自粛
コロナにより、会の活動が滞っている。昨年恒例の凧揚げ大会を中止したほか、小学校への指導を担当する同会内の「東俣野小凧の会」も自粛。ただ児童たちは会作成のマニュアル書をもとに凧作りを進め、あす1月22日午前10時から11時半まで大会を行う。岡田浩校長は「今年は凧作り名人の方々の指導を受けられず本当に残念。来年はご一緒したい」と語る。石井会長は「会の課題は高齢化。この凧文化は残したいね」と話した。
戸塚区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>