緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出自粛要請が続いている。本紙では、医師でもある里見正宏戸塚区福祉保健センター長に、区・市のコロナ感染状況、自身や家族が感染者になったときの対応、高齢者や子育て世代が、自宅で心身を健康に保つ方法などを聞いた。
--戸塚区、市内の最新のコロナ感染者数を教えてください。
「1月22日発表での累計感染者数は戸塚区は924人、市全体では16092人が確認されています」
--この人数をどう見ますか。
「多いですね。ただ、毎日数字は発表されますが、曜日によってかなり変化するため、1日で一喜一憂するのはよくありません。週間の発生数で傾向を見る必要があります」
--市内の感染者の傾向は。
「東京に隣接している鶴見区や港北区など北部の方で多い。中区など都心の区も多いですね」
--戸塚区はどうですか。
「戸塚区も多い部類に入ります。というのは、東海道線や横須賀線が来ています。つまり北部と同様、いま数が多くなっている東京と密接しているということ。東京が収まってくれば、下火になってくる可能性があると見ています」
家庭内での感染者対策
--自分や家族が感染者になったが、入院に至らず、自宅待機になったときの家庭内対策を教えてください。
「ほかの人たちと隔離できればいいのですが、なかなか難しい。ただ、まずは寝室を別にして欲しい。出来るだけ1つの居室を決めて、その中で過ごしもらう。感染者はマスクをつけ、感染していない人もマスクをつけること。接触感染も注意を。触ったところにウイルスが付く可能性がありますから、触れたと思うところは消毒が必要です。換気も大切。窓を2つあけ、空気が流れるようにしてください。それとトイレです。糞口感染などもあるといわれており、トイレが2つ以上あれば1つに決めてしまう。出来なければ、終わった後しっかり消毒を。バスルームも感染者は一番最後に入り、空気を入れ替え、消毒をお願いします。食事は基本的には自分の部屋で食べていただき、感染者と接する人は心臓や肺、腎臓などに持病がない人、高齢者も避けた方がよいですね」
「明かりが見えてきたところ」
--コロナ禍後、自宅に閉じこもってしまう高齢者が増えています。情報の洪水のなか、人と関わらず、心身のバランスを崩している人が増えていると言われています。
「ワクチンができ、効果があるものでしたら、安心な状態になっていく可能性があります。あまり悲観的にならない方がよいと思います。情報との接し方ですが、ニュースを見るのは1日にこの時間と決めるのはどうでしょうか。また、行政などしっかりした所からの情報の取得を。睡眠時間はきちんと確保して一日のリズムを作っていただくことも大事。気分転換、足腰を維持するためにも散歩はいいと思います。ただ、公園など人が集まってしまう場合があるので時間を見計らって。認知症予防には言葉のキャッチボールがお勧めです。電話を活用してみてください。
--子育て世代へアドバイスを。
「お家の中で閉じこもっているのは好ましくないので、高齢者と同じく公園を連れて歩いたりするのはどんどんやってもいいと思います。また、Zoomを使い、友達同士との会話もいいと思いますね」
--最後に区民にコロナ対策で心掛けて欲しいことは。
「マスクをしっかりつけてもらうことです。欧米諸国に比べ、日本が感染が爆発的にならなかったのは、マスクの力が大きいと言われています。ただ、例えば職場で食事をする際などでマスクを外し、おしゃべりをしてしまうことはないでしょうか。クラスターが発生する恐れがあるので十分に注意を。それと、家に閉じこもることでの運動不足と食べ過ぎ。肥満は生活習慣病にもつながるので気をつけてください。早足で歩いたり、階段を登ったりもカロリー消費につながります。新型コロナは今までになかった病気で不安感を持つことはよくわかります。ただ、今は、ワクチンがようやくできて、明かりが見えてきたところ。落ち込まず、皆で力を合わせて頑張っていきましょう。
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