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医療の充実を目指して 企画・制作/経営学博士 天本武
天本 まず大久保先生に、新型コロナ感染拡大の1年半ほどを振り返ってもらおうと思います。
大久保 ウイルスのことは知っているものの、コロナ特有の問題点は分からなかった。僕が最初にやったのはデータ集めです。すると、コロナは日常の会話などによる飛沫や接触により感染することが分かってきた。これには困りました。生活様式を変えなければいけませんからね。
それから空気の流れが重要と分かってきたので、換気が必要だと。しかし病院ですから窓を開けっぱなしにもできない。そこで、特殊紫外線による空気の殺菌装置を5機導入、各所に配置し、届きにくいトイレや廊下にはオゾンで殺菌をしました。さらに酸化チタンによる光触媒効果を知り、接触部分である椅子やドアノブ、リハ室や待合、診察室など院内中すべて吹き付け、コーティング殺菌しました。患者さんに安心してきてもらうために、やれることは何でもやってきました。そのためか毎日約200名の来院がある中感染者は皆無の状態。また、全職員のワクチン接種も完了しております。
松田 神奈川県にとっては、横浜港に着岸したダイヤモンドプリンセス号での感染発生が始まりです。県の職員は護岸まで、船内は国、乗客の移送は横浜市といった役割分担を進めました。船で何が起きているのかは全然情報がなく、職員は大変だった。その中で県は医療圏、国と自治体の間に入って流れを良くしなきゃと考えた。その中でこの感染症の不明点が出てきました。重症者が出る一方、何故か無症状の人もいっぱいる。急に悪くなったり、急に重病になったりする。その中間の方もいる。そこで全国で初めて中等症を位置づけました。それを踏まえ、重症病棟、中等症病棟、無症状感染者に居てもらうため、新規オープンしたばかりのホテル、2000部屋を借り切りました。
このほか、湘南国際村などのご協力を頂いて宿泊療養施設を確保。全国でも使われている神奈川方式を作り上げました。
天本 大久保先生が政治に求めることは。
大久保 もっと科学的研究データ開示をしたり、変異株の国内外の状況、現場の医師の意見を発信してほしい。それと今後起こり得る感染症の未来を考える人たちも必要。いろんなケースを想定し、ベースを作っておくべき。すぐに必要じゃないけれど、非常時にこの人たちは活躍します。援助・補助し、育てることは絶対に必要です。
松田 感染症の改正法令で、県知事の権限が大きくなりました。皆さん方に、協力のお願いだけだったのが、要請のお願いになり、出来なかったら行政罰、課金を与えられるという法改正。先生にお聞きしたいんですが、病床増を要請し、応えられなかったら、特別な理由等なかった場合は院名を公表するとしています。これはどう思いますか?
大久保 ネガティブですよね。ポジティブに国や自治体が主体で作っていけばいい。国が感染症対策病院を建てましょう、国が病院を一時的にコロナ病棟にし、管理したいと率直に依頼すればいいと思います。責任は国が取ると言えばいい。そうすれば理解されると思います。すべての専門家ではないけれど有事に際し、高い視点で掌握、類推し、決断できるシステム思考のあるリーダーが必要です。
松田 緊急時の構えが大事ですし、その備えをしなければなりません。しかし、『信無くば立たず』。お互いの信頼が大切でしょう。
天本 松田先生、県はコロナを抑え込むため、何をすべきですか。
松田 医療従事者の皆様には本当に感謝を申し上げなければなりません。変異株など不確実な状況ですが、ワクチン接種の実効性ある動きが肝要でしょう。県には基幹病院も多く、情報提供、各種相談などから県民の皆様に安心感を持ってもらいます。一方、県民の暮らしを守ること。時短営業に協力した事業者には協力金を交付いたしましたが、さらにさまざまな対応が必要です。
大久保 私は整形外科医の立場からお話します。コロナ禍により、患者さんの受診控えがありますが、骨折、肩や首の痛みなどは、実際触診、検査しないとわからない。リュウマチも血液検査しないとわかりませんし、脊椎腫瘍で麻痺が出現し歩きにくくなった人、痛風で尿酸結晶が関節にたまって動けなくなる人がいます。これも通院治療が必要。当院では感染対策をきちんとやっています。安心して来院してほしいと思います。
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4月18日