気候変動により年々深刻度を増す感がある風水害。人と同様、一緒に暮らすペットを安全に避難させることが求められている。横浜市獣医師会は昨年9月、飼い主が避難所にいる間の一時預かり事業を開始している。本格的な台風シーズンを前に、角田守利戸塚区会長に取組みの現況などを聞いた。
飼い主が大型台風や集中豪雨の風水害時、ペットがいることで避難を躊躇(ちゅうちょ)し、被害にあうことを防ぐことを目的とするこの事業。市内に大きな爪痕を与えた2019年到来の大型台風19号が、今事業を立案したきっかけだ。
「昨年9月に始まったが、これまで大型の台風の上陸がなかったことから、一時預かりをしたケースは区会としては、確認していない」と角田区会長は話す。預かり院は市獣医師会のホームページ上で公開しているが、掲載されていない院でも、市会の事業方針は共有されているという。「個々の院の状況に応じた対応がされます。区内には氾濫の恐れがある柏尾川や崖地もあるので、一時預けを希望する飼い主さんは、かかりつけ院、居住する近くの院に必ず事前相談を」と話している。
具体的には、飼い主(かかりつけ以外も対象)が避難所にいる間、無償での一時預かりを実施。気象庁が発表する台風情報または警報級の可能性がある注意情報で、風水により、市内に大きな被害が予想される場合に預けられる。ただし、▽各種予防接種が済んでいること▽事前に電話などで最寄りの協力病院の空き状況、受け入れ時間を確認しておくこと▽保管が基本となること(投薬などは病院と応相談・費用は別途発生)--などが定められている。
マイクロチップ検討を
一方で角田区会長が呼びかけるのが、平常時からの備えだ。災害発生時、混乱の中でペットと離ればなれになる恐れがあることから、飼い主情報が記入されたマイクロチップの体内への埋め込み、地域防災拠点での避難所生活を想定し、犬ならケージ、猫ならキャリーバッグに慣らしておくこと、糞尿の処理用具や薬などを入れた非常時用の持ち出し袋の準備が必要と指摘。また、緊急時、やむを得ずペットを自宅に置いて避難する場合、室内の可能な限り安全なところへのケージ設置を必要とする。「すべては普段からの準備にかかっている。家族同様のペットの安全確保に注意をはらってほしい」と呼びかけている。
戸塚区危機管理担当者は「一時預かりは意義のある取り組み。区としては、引き続き、地域防災拠点のペット受け入れ体制の精度向上をめざしていく」と語る。
|
<PR>
戸塚区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
参院選神奈川立候補予定者アンケ神奈川県選挙区の立候補予定者にアンケートを実施。回答を政治の村サイトで公開中 https://seijinomura.townnews.co.jp/election/2022/sangiin-q.html |
<PR>