この春から戸塚町と吉田町で年齢上限のない全障害者向けの造形教室を開講している 白瀬 綾乃さん 矢部町在住 44歳
夢に向かってまっしぐら
○…発達障害児向けの造形教室でボランティア講師を務めた期間を経て「より多くの人を支援したい」という気持ちが強まり独立を決意。自身が運営することで障害の限定や年齢上限をなくし、「いつか自分の仕事にしたかったことが現実になった」と喜びを語る。
○…金沢区生まれ。幼いころから絵を描くのが好きだった。小学1年生から中学3年生まで造形教室に通い芸術活動に勤しみ、過去には投稿したマンガで新人賞を受賞したことも。高卒後、美術の道には進まず企業勤めをしていたが、10年前に身体全体の麻痺を引き起こす、原因不明の病、ギラン・バレー症候群を発症。生活は一変した。現在は回復しているが、「自分の存在価値もわからなくなった」と身体障害による精神的負担を痛感した。
○…同じような苦しみを抱える障害者への支援を考え、身体障害者のデイサービスを仕事に。日々の介助と、目指していた「一人ひとりに向き合う支援」との間に大きな隔たりを覚える。同じころ、芸術療法の一つである臨床美術と出会ったことで、「特技を生かし、前向きになるきっかけづくりが提供できる」と資格を取得。4年前に退職し、以来アートサークルや造形教室のボランティア講師として活動してきた。
○…独立を機に離れる人もいるのではと不安だったが、「自分が経験した身体障害を持つ人も参加できるように、条件や制限をなくしたい」という信念に全員が共感を示してくれた。遠方からの参加者も増え、教室には夫と娘が参加することもあり、障害者との交流環境づくりにも協力的だ。今後はさらに「一般の人の参加も増やし、障害者への理解にもつなげたい」と新たな夢を目指している。
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