深谷小学校を会場に地域住民が実行委員会を立ち上げ毎年行ってきた「深谷小学校区納涼盆踊り大会」。7月22日にコロナ禍後3年ぶりに開催されたと同時に、45年の長い歴史に幕を下ろした。主力メンバーの高齢化が理由で、地域から惜しむ声も多いが、開始時から代表を務める照井善二さん(82)は「無事フィナーレを迎えられてよかった」と満足そうに語った。
1978年に市の学校開放事業として開始された同盆踊り大会。照井さんは「若いお母さん方から日本古来の盆踊りを習得したいと要望があり、地元講師から手ほどきを受け、着る機会の少なかった浴衣を引っ張り出し、校庭に小さなやぐらを組んだのが始まり」と説明する。
以来委員会が用意する売店規模も年々拡大し、地元建設会社から部材を提供された手作りやぐらも5mの高さに。近年では三日三晩にわたって開催され、延べ参加人数は3000人を超えていたという。
実行委員会は現在20〜30人ほど。主力メンバーの平均年齢は80歳ほどという。長年にわたり参加する鈴木惠子さんは「高齢化でメンバーがやぐらを組む際の怪我の心配もあった。寂しい気持ちはあるけど、仕方がない」と話す。照井さんは「後継者を探していたが、焼き鳥を6000本用意する売店管理などもあり、10〜20人くらいはいないと難しい」と語る。
ふるさと感じる場に
当日は感染症対策を徹底し、一夜だけの開催に。飲食の出店はなかったものの、大勢の地域住民でにぎわった。参加した佐藤良丞くん(深谷小2年)は「久々のお祭りで入るのに緊張したけど、すっごく楽しかった」と笑顔に。母親の明子さん(42)は「年齢関係なく交流できるこういう場は非常に良い。今年で終わりはさみしい。何年後かに立ち上がってくれれば」と話す。
照井さんは「毎回夢中で、苦労はあまりないね」と45年間を振り返る。「ふるさとを感じる場として、卒業生などがこのために戻ってくる同窓会みたいなお祭り。出店の売上金を小学校へ寄付したり、災害被災地への寄付金提供ができたのもよかった。関係者の皆さんに感謝です」と久しぶりの夏祭りを眺めた。
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