戸塚警察署長に就任した 佐宗 茂さん 矢部町在住 56歳
「生涯、人に寄り添う警察官」
○…「区民の安心・安全を全力で守る」。きっぱりとした口調から、約28万人の区民を犯罪や事故から守り抜く強い意志が感じられる。戸塚署は30年ぶり、2度目の勤務。改めてまちを見渡し「大踏切がなくなり、商業施設ができるなど様変わりした。親しみがあるこのまちで事件は起こさせない」と気を引き締める。
○…高卒後、警察官の道へ。交番勤務を経てからは刑事課で強盗や傷害、暴力団対策などシビアな現場で経験を積んできた。なかでも脳裏に焼き付いているのが、東日本大震災の際に携わった検視の任務。次々と運ばれる遺体の身元確認、遺族に対しての説明などを行った。「本来、検視は冷静に取組むべきものだが、このときは感情が溢れ出しそうだった」。過酷な状況下で自分にできることを模索し続けた。「いつだってつらいのは被災者や被害者。相手の声に耳を傾け、気持ちを汲み取らないと」。警察官としてあるべき姿を再認識し、「生涯人に寄り添う職員であろう」と心に誓った。
○…小田原市出身。自然豊かなまちで育ち、高校時代は生物部に所属。魚釣りに明け暮れる日々のなか、ターニングポイントが訪れる。「釣ったウツボに指を噛まれ、出血する事故に。このとき駆け付けてくれたのが駐在の警察官だった」。ほっとしたのと同時にそれまで無縁だった警察官が格好良く見えた。「人の役に立つ仕事っていいなぁ」。憧れを胸に、同じ道に進もうと決意した。
○…特に高齢者を狙った犯罪には警鐘を鳴らす。「振り込め詐欺は日々手口が変わるもの。近所で密に情報共有を」とし、すでに自治会内での防犯講話も企画。就任したての忙しい中でも、つねに住民を思いやる気持ちは忘れない。「これから職員と団結し、戸塚をより良いまちにしていきます」
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4月18日