統一地方選 市民に身近な議会に デスク・レポート
▼23年度の横浜市予算案を審議する市会定例会が18日に最終日を迎える。この定例会が終われば、4月10日投開票の市議選や県議選、知事選へ向けた動きもさらに慌しくなっていく。各選挙へ立候補を予定する顔ぶれも出揃いつつあり、4年の任期を託す市民の代表を選ぶ戦いが間もなく始まる。昨今、全国では市長と議会の対立、議会のリコールなどが起き、さまざまな意味で地方議会が注目を集めている。今回の選挙は今後の市民と議会の関係を考える上で大きな意味を持つことになるだろう。
▼「政治」「議員」と聞くと、中央政界や国会議員を連想しがちだが、横浜では最も身近な議員は現在92人の定数を持つ市会議員である。この4年間、「みどり税」の導入や「開国博Y150」の不振に伴う市費投入など、市民が納めた税金の使われ方が市会の中で議論された。時には各会派の意見が対立することもあったが、議論に対する市民の関心が高かったとは言い難い。このことは、市民と議会の間に大きな距離があることを物語っている。本来、一番身近であるはずの議員に対し、市民から議員定数や報酬削減を求める声が出る背景には、政治への不信とこの「距離」の大きさが根底にあるのではないか。議会での議論や議員活動が目に見えづらいことも距離を広げる原因となっている。
▼この距離を縮めるには、議会と市民、双方の努力が必要だ。議会側は情報公開を中心とした「目に見えて分かりやすい議会」を目指すことが求められる。議会のネット中継拡充やすでに全国の自治体で行われている住民向けの「議会報告会」の開催は検討されるべきものだろう。いずれにせよ、今回の選挙を機に、議会改革に関する議論が深まることを期待したい。
▼当然、市民も議会の動きに今まで以上に関心を持たなくてはいけない。例えば、ごみの出し方や保育所の待機児童対策といった市民生活に直結する課題を市会では議論している。自分たちが選んだ代表者がどのような考えを持ち、何を発言しているのかを知ることの意味は大きい。議会に関心を持つための第一歩は、選挙で投票することになるのではないか。この選挙が市民と議会の距離を縮め、身近な議会が生まれる契機になることを願いたい。
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