"噛める喜び"いつまでも 栄歯科医師会 会長 土屋重俊さん(本郷台在住 61歳 土屋歯科医院(笠間)院長)
○…区内の38医院が所属する栄歯科医師会の7代目会長に今年4月、就任した。今月は「高齢者の良い歯のコンクール」、来月は栄区民まつり会場で「歯科相談」、1年を通して地域の学校等で検診や講演をするなど、精力的に活動を行っている。「検診の結果は昔より良くなっている」というが、現代は昔に比べ柔らかい食べ物が多く、過剰なダイエットの流行などもある。「好き嫌いなく食事し、規則正しい生活をして健康な歯を保ってほしい」
○…温泉地として有名な静岡県下田市の出身。自宅に温泉をひき、「3歳のころから毎日入っていた」と笑顔。歯科医だった両親の背中を見て育ち、兄弟3人は全員歯科医。「歯科医になるのは自然な流れだった」と言い、今でも家族が集まると「患者や症例の話になる」と笑う。
○…横須賀市の大学を卒業後、茅ヶ崎市内の歯科医院で2年間勤務。31歳の時、笠間に「土屋歯科医院」を開院した。特に力を入れているのは義歯。25年前から2ヵ月に1回、県内の歯科医約10人と「寺子屋」と称した勉強会を開いている。「虫歯は削って詰めれば良いが、入れ歯は型を取るだけでなく、歯槽膿漏や歯並びなどの状態にあわせて材料にもこだわる必要がある」。安定剤を使わなくても快適に使える義歯を目指し、日々研究を重ねる。「『何でも噛めるよ』と言われた瞬間が一番嬉しい。やったね!という感じ」と指を鳴らして満面の笑みが弾ける。
○…学生時代は空手や剣道に励み、大学卒業後には日本刀の剣術「刀道」にのめり込んだ。巻き藁や竹を一刀両断。「切れた時はすっきりして面白い。こっちのほうが性にあってたね」。講演や検診などで出向いた先で、剣術や剣の小話を披露することもあり、良く知る同業の知人や患者からは「刀の先生」と呼ばれることも。最近は稽古をする機会も減ってしまったというが、今は刀を筆に持ち替えて、区内の教室に通い、書道に精を出している。さまざまなデータやスライド、時には小話を用い、患者に説明するのが”土屋流”。「少しでも歯に興味を持ってもらえれば」区民の歯の健康を考え、会員とともに日々努力を続ける。
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