栄区民文化センター「リリス」の館長 遠藤 美彦さん 厚木市在住 52歳
一歩踏み出す芸術拠点に
○…多彩なコンサートやアートイベントなどを主催する栄区民文化センター「リリス」。館長に就任し、8ヵ月が過ぎた。最近は出張型の造形ワークショップや本郷台駅前でのコンサートなど「リリス」から外に出る機会も増えている。「栄区は文化・芸術への関心とアーティストのレベルが高い。子どもと高齢者の来館が多いが、外に出ることで中間層も増やしていきたい」
○…人と違うことを好む性格で、小学校のころからトランペットを始めた。中学2年からはピアノも習い、高校卒業後の進路には音大を選んだが、音大受験のための講習会で出会った講師に「トランペットは向かない」とユーフォニュームを勧められ、以来ユーフォニューム奏者に。「実はトランペットには限界を感じていた。肺活量が必要だけど、ユーフォニュームのほうが楽だった」と打ち明ける。
○…短大の音楽科を卒業後は、生まれ育った厚木市の文化会館などに音響や舞台担当として勤務した。厚木は人形浄瑠璃が盛んなまち。文化会館でも独自の人形浄瑠璃を作る機会があった。場面にあった音楽を探して編集、専用の大道具の組み立て方にも精通し、気が付けば厚木での勤務は20年以上。なくてはならない存在になっていた。
○…趣味は音楽と射撃と料理。現在は2ヵ月に1度、友人らと射撃場に出向く。「撃った時の爽快感が好き」と笑顔。銃砲所持許可を得るためには銃を安全に扱えるかどうかの作法も問われるが「銃を安全に扱う作法は舞台の安全管理につながる部分もある」と話す。また、許可を維持するためには狩猟に出る必要もあり、狩った鹿や猪、熊を料理することも。「動物を撃つのは好きではないが、ジビエ(狩猟による鳥獣肉)は食べると元気が出る」。館長就任後、5回の満員御礼があった。「文化・芸術のハブ的拠点として来て良かったと思われるホールにしたい」より魅力的な「リリス」作りに満身の力を込める。