2012年度栄区予算案 現場主義で活力あるまちへ 中長期見据え、メリハリをつけた編成に
栄区は2012年度の編成予算案を公表した。予算総額は154万6千円減の6億2482万3千円。そのうち1億3165万4千円を、地域の課題やニーズに対応するために行う自主企画事業に投じる。横浜市の厳しい財政状況を踏まえながらも、重点とする課題を明確にし、中長期を見据えて現段階から着手する必要があるものにも予算を計上している。
12年度の自主企画事業は、「災害に強いまちづくりの推進」「子育て支援の充実強化」「暮らしの中の安全・安心の拡大」「まちの活性化の展開」「豊かな水・緑の保全と環境行動」「区民、地域によりそう区役所」「セーフコミュニティの広まり」の7つを柱とし、今年度同様、「中期4か年計画」とともに「栄区まちづくり行動計画」、「第2期栄区地域福祉保健計画」に沿って、各事業に取り組んでいく。中でも災害対策と子育て支援、まちの活性化を重点とした。
「災害対策」(633万円)では東日本大震災を教訓に、備蓄の充実や地域防災拠点の円滑な運営を進めるとともに、自治会町内会を中心とした要援護者の避難支援の取り組みを広げる。
「子育て支援」(2510万円)では、育児不安への対応を強化。妊婦を対象にしたメンタルヘルス相談や産後うつの対応などを行う「周産期からの育児支援事業」などを新たに盛り込んだ。また、子どもや青少年を主役とした事業も引き続き展開していく。
「まちの活性化」(1620万円)は、本郷台駅周辺のにぎわいづくりが最大の目標。200万円を投じて12年度中に駅前広場の放置自転車対策や植栽の一部改修などを行う。また、区民活動や文化・芸術活動などと連携し、集客力のあるイベントを開催して、駅前広場のにぎわいを創出することを目指す。
「安全・安心」(1736万円)では、高齢者向け配食ボランティア団体などと連携した高齢者の見守り活動を拡充。新規事業として100万円を計上するほか、交通安全、防犯活動の推進、健康づくり、次世代の育成・支援にも取り組む。
「環境行動」(1918万円)では上郷・森の家や横浜自然観察の森などを活用し、大規模なイベントを行うほか、市が推進する3R夢やエコ活を、公共施設を活用して普及していく。
そのほか、区民のニーズに応えるための「区役所づくり」には3867万円、12年度中にWHO(世界保健機関)協働センターからの認証取得を目指す「セーフコミュニティ活動」には880万円を計上し、活動を区全体へ広げる。
産科病床復活へ区と局連携
07年度以降、市内で唯一産科施設がなかった栄区は身近で安心して出産できる環境の整備を急務としてきたが、12年度は産科病床(10床)を新設する病院の目処がたったため、市健康福祉局と連携した「区局連携事業」として、375万円を計上、整備費を補助する。
また、円海山周辺地域に広がる「つながりの森エリア」において市民が自然観察や歴史文化を体感・体験する「エコツーリズム検討事業」にも市環境創造局との連携事業として300万円を計上している。
予算案は現在開会中の市会で審議後、正式決定する。
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