日米桜交流100周年 「里帰り桜」栄区に 親善・友好の証 今冬区内に植樹
友好・親善のために日本からアメリカの首都・ワシントンに3千本の桜が贈られ、今年で100年。その節目を記念してワシントンから桜が里帰りし、そのうちの苗木1本が栄区に”お裾分け”された。苗木は植樹に適している冬場に、多くの人目にとまる区内の場所に植えられる予定だ。
桜を通した日本とアメリカの交流のきっかけには、1884年ごろに来日したアメリカ人紀行作家で新聞記者や写真家としても知られるエリザ・R・シドモアの尽力がある。シドモアは横浜を拠点として各地を巡り、日本の文化や風俗を欧米に紹介。その中で日本人の桜を愛する心に感動し、ワシントン・ポトマック河畔に桜を植樹する活動を進めたとされている。
100周年を記念した桜の里帰りは昨春に決定。財団法人日本さくらの会が米国政府との橋渡しを行い、「ワシントンの桜・里帰り事業」実行委員会(石川県金沢市)が苗木を作るために同桜から採取した穂木144本を譲り受けて、ゆかりの地や東日本大震災の被災地に贈ろうと、1年間をかけて苗木に仕立ててきた。
横浜市内では昨年3月、市民が「シドモア桜100周年・里帰りを喜ぶ市民の会」(大内えりか代表)を発足。苗木の受け入れ準備を進め、3本を譲り受けて、行政の受け入れ体制が整っていた栄区のほか、西区の野毛山公園、海老名市への植樹を決めた。
5月27日に野毛山公園内の配水池で行われた植樹式には林市長をはじめ、市民の会の大内代表、横浜日米協会の西田義博会長、日米両国の桜の女王ら多くの関係者が出席。栄区からも尾仲区長や本郷台小学校(益田正子校長)4年生の児童53人が参加し、栄区の代表として大内代表から苗木を受け取った(=写真)。「現在10歳の4年生が20歳になった時に満開の桜の下でお祝いできれば」と同校では成長に期待をよせる。
苗木は、本郷台駅前など多くの人の目にとまる場所に植樹したい意向で、現在検討中。今冬に植えられる。
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