栄消防署 救命リレーに感謝状 鍛冶ヶ谷の熊谷さんら4人
7月に区内の路上で突然倒れ、心肺停止になった70代の男性を素早い通報や適切な応急手当で救ったとして、栄消防署(中嶋俊明署長)は8月23日、鍛冶ヶ谷に住む会社員の熊谷理美(くまがいさとみ)さん(24)ら4人に感謝状を贈呈した。倒れた男性は1ヵ月余りの入院を経て病状も回復。8月下旬に無事退院した。
表彰を受けたのは熊谷さんと、一緒にいた友人で長野県在住の伊藤文彰さん(23)、偶然通りかかった群馬県に住む看護師の神宮真奈美さん(23)、南区の横浜市立大学付属病院市民総合医療センターに勤務する医師の今井雄一さん(31)。
熊谷さんと伊藤さんは7月15日の午前10時30分ごろ、鍛冶ヶ谷の鎌倉街道七曲バス停でバスを待っていたところ、車道を挟んだ反対側の路上で、公田方面から上大岡方面に自転車をこいでいた男性がふらついて倒れるのを目にした。中央分離帯の柵を乗り越え、男性の元に急行したが、すでに意識はなかったという。熊谷さんはすぐさま119番通報。救急の指示に従い、伊藤さんとともに心臓マッサージを施した。
救命講習の記憶鮮明に
「通報時は一瞬パニックになってしまった」と話す熊谷さんだが、今年4月に勤務先で実践的な救命講習を受講したばかり。傷病者への呼びかけや呼吸の確認、心臓マッサージは冷静にできたという。間もなく看護師の神宮さん、医師の今井さんが応援に駆け付け、協力しながら応急手当を続けて通報から5分後、到着した消防隊に引き継いだ。倒れた男性は、搬送中に呼吸と心肺が回復した。
横浜市内では救急への通報が年間約16万件あり、うち3千件が心肺停止などの重篤なもの。自宅内での発生が大半だが、近くに人がいても発見や応急手当が遅れれば救命が難しいという。
感謝状を手渡した中嶋署長は「救命講習を受講したばかりだったことは大きい」と熊谷さんを称賛。「成人の20%が応急手当を覚えると救命率が上がるとされているので、一人でも多くの人に救命講習を受けてもらいたい。受講を希望する場合は消防署に連絡を」と話した。熊谷さんは「不安もあったが、習ったばかりだったので、鮮明に方法を覚えていた。救急の指示も分かりやすかった」と、男性の回復を喜んでいる。
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