砂埃の防止やけがの抑制などにつながるとして、小中学校の校庭などを芝生化する取り組みが全国的に進められている。
栄区でも今年度、千秀小や本郷小の校庭の一部を芝生化。一部の保育園や公園にも導入されたが、芝生化には踏圧などによる裸地化や管理に費用や手間がかかるなどの課題もある。
横浜市では2002年にFIFAワールドカップの決勝戦が横浜国際総合競技場で行われたことを記念し、社団法人横浜市造園協会が全費用を出資して市内の小学校2校を芝生化。その翌年度からは市教育委員会が「校庭の芝生化モデル事業」として、児童数が少なく比較的踏圧頻度の低い芝生化に適した学校を選定、芝生化した。
毎週360リットル分を廃棄
そのうちの1校として7年前に校庭の全面を芝生化したのが、小山台小学校(南谷寿子校長)だ。同校では職員や地域の防犯ボランティア7人が週1回管理を行い、芝刈りや裸地化した部分への芝移植を実施。今年度からは児童も草取りに参加しているが、芝生化後の大きな課題は刈った芝の処分方法だったという。
校庭全面を芝生化している同校では毎週72リットルのポリ袋5袋分の芝が排出されるが、芝は固く、たい肥化には不向きとされ、これまでそのまま廃棄していた。
その状況を知った区は、校内でできるたい肥化の方法を検討。札幌市の下水道資源公社が石灰窒素を使い、刈芝をたい肥化していることを知り、8月から試験的に導入した。
区土木事務所が校内の一角に設置した囲いの中に、発酵を促進する石灰窒素と芝を入れ、水を撒いてたびたび混ぜると、2ヵ月ほどでたい肥になるという。懸念していた臭いもあまりなく、現在順調にたい肥化を進めている。たい肥は校内の花壇などで利用する方針だ。南谷校長は「刈った芝を環境的に活用できるのは嬉しい。一度に使う石灰窒素の量も多くはなく、費用面でも大きな負担にはならないと思う」と話す。
同方法で刈芝のたい肥化に取り組んでいる学校は市内に例がなく、芝生化が進む中、成功すれば注目が集まりそうだ。
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