地域通貨「イタッチ」の加盟店ポストカードやマップのイラストなどを手掛ける 杉澤 佑美さん 杉イラストレーション工房 34歳
イラストでつなぐ人と人
○…「知り合いに似てる」「自分の子どものころみたい」作品を見た人がそんな感想を口にする親近感溢れるイラスト。イタッチマップやポストカードをはじめ、商店街とコラボする「アートdeつながるショップ3」、地域作業所と協働で栄区のお土産づくりに取り組む「さかえegaoプロジェクト」などにもアーティストとして参加し、区内で精力的に活動する。「私のイラストが地域の人と店をつなぐ”何か”になれば嬉しい」
○…大学卒業後、栃木県の温泉旅館での住み込み勤務を経て、栄区を拠点にするフェアトレード団体に転職し、栄区へ。仕事の傍ら、趣味として描いていたイラストの才能を生かそうと、地域のさまざまなアーティスト募集に応募し、たくさんの縁に恵まれた。2年前に体調を崩し、勤務が難しくなったものの、絵だけは描き続けていたことから一念発起。「杉イラストレーション工房」を立ち上げ、独立した。現在は8年間住んだ栄区を離れ、静岡県沼津市の実家で暮らすが、月2回は栄区を訪れ、馴染みの店にも顔を出す。「地元ではないのに立ち寄れる場があるのは嬉しい。駅前や自然がいっぱいのいたち川、レトロな雰囲気の商店街も好き」と笑顔がこぼれる。
○…「お店に行きたくなる仕掛けを作れれば」と、加盟店ポストカードの制作では各店に直接取材へ。「店主それぞれに思いがあり、栄への愛情があって、いろんなものを描きたくなっちゃって」と、店舗の外観や商品、客の様子や店主の似顔絵などを盛り込んだ。特に店主の似顔絵はお気に入り。「お店の雰囲気が伝わればいいな」とほほ笑む。
○…今後挑戦したいのは絵本の挿絵。「2、3年以内に自費出版する」と周囲に話し、自らにプレッシャーをかけている。「苦労もあるけど、独立は積極的に自分を掘り出すきっかけになった。イラストに引っ張ってもらっている感じ」本格的に歩み出したアートの道を一歩一歩踏みしめている。